エリック・ボンパール杯でパトリック・チャンのコーチを直撃 (2015/11/20-英語) コメント(8) 公開日:2015年11月25日 海外の動画 パトリック・チャンを指導しているケイティ・ジョンソンコーチのインタビュー動画です。映像は「The Blade Boys」のYouTube公式チャンネルで公開されたものです。 タグ エリック・ボンパール杯2015(フランス大会) パトリック・チャン 関連記事 エリック・ボンパール杯でフランク・キャロルコーチを直撃 (2015/12/1-英語) パトリック・チャン エリック・ボンパール杯2015 公式練習 (2015/11/12) The Blade Boys ジャパンオープン2015女子総括 (2015/10/7-英語) 投稿ナビゲーション TSL ラファエル・アルトゥニアンと対談 (2015/11/16-英語)TSLのロステレコム杯おさらい (2015/11/22-英語)
“エリック・ボンパール杯でパトリック・チャンのコーチを直撃 (2015/11/20-英語)” への8件のコメント
管理人様ありがとうございます!
新米スケオタには貴重な情報源です。
今夜じっくり視聴します~。
インタビューの和訳を投下します。大筋に影響のない細かい部分は省略しています。誤訳など気付かれた方は修正して頂けるとありがたいです。
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T=テッド・フレット、K=キャシー・ジョンソン
T:「ブレードボーイズ」のテッド・フレットです。パトリック・チャンのヘッドコーチ、キャシー・ジョンソンをお迎えし舞い上がっています。キャシーのインタビューは希少です。ブレードボーイズ独占インタビューですね(笑)。
K: そうです(笑)。
T: 今季はあなたや復帰したパトリック・チャンにとってビッグシーズン。パトリックから競技に戻りたいと再びコーチの依頼を受けた時の会話を教えて下さい。
K: 連絡はずっと取り合っていましたが、その時の電話を覚えてます。「えっと…戻りたいんだけど、どう思う?」って。二人で色々話し、疑問も出ましたが、私はこう言いました。間違いなくスケートも技術も戻せる。まだ若いし故障も無いから、と。一番念を押したのは、生活が一変する覚悟ができてるか。トレーニングが始まると厳しい自制の日々です。パトリックは強い自制心の持主ですが、特別な覚悟が要ります。復帰があまりうまくいかないのは、制約の厳しい訓練生活に順応できないのが主な原因かと。覚悟があるなら戻って来なさい、必要なトレーニングや練習など全て編成しましょうと話しました。パトリックは覚悟ができていて、早くトレーニングがしたいって言ってました。
(2に続く)
(2. 続き)
T: 今週のインタビューでパトリックは、自分の思い通りにトレーニングしているような発言をしていました。4回転を一つ増やす必要はない、競技に向け1日にやるのは1プログラム、曲かけ1回だと断言してましたよ。思った事を口にし、ちょっと頑固で自分の考えを持った選手にコーチとしてどのように接していますか?
K: 優しく強制します(笑)。問題ないです。あのレベルの選手になると、こちら側と彼の主張をすり合せることが大事。4Sはプログラムに入れる前にトレーニングが必要など、特に復帰一年目は話し合いが必要。パトリックは初め4Tを二つと3Aを入れると言いましたが、考えさせてと待ったをかけました。3Aは必ず二つ入れるべきと話したら、世戦には入れる計画で、と彼は同意しました。今では3Aは安定しパトリックの好きなジャンプです。技術面をかなり変えました。選手の言い分も聞く必要がありますが、時間をかけ優しく、こちらの考え通りさせるよう持って行きます(笑)。
T: 3Aは難しいジャンプと言われてますが、過去2、3シーズン、特にソチでは問題でした。ずっと苦手でしたか?どう変わりましたか?
K: 苦手でしたね。技術的にコントロールできてなかった。問題は、初めて3Aを習った頃からずっと色んな人に習って来たわけですが、人によって微調整の仕方が違ったこと。正確にどう動けばよいか混乱して体で覚えられなかったようです。特にアクセルのように難しいジャンプは、進入路やタイミングを固める必要があります。休養中の一年間アクセルを跳ばなくて良かったと思います。戻ってからは身体のバランスや体重移動など基本訓練を行いました。とにかくバランスを養う訓練を中心に。動作には全てバランスが必要。全てはバランスから始まるのです。
(3. に続く)
(3. 続き)
スケートは勢いがつくと少々バランスが崩れたくらいでは頭から転けたりしません。でも中心軸を失うとまずい。体重移動で軸足がずれるとバランスが崩れる。ジャンプ前の動作でバランスが崩れる。調整する余裕がある場合もあります。だから技術面を変えました。ジャンプ前の準備動作で進入路やタイミングを測り、重心を整える。実際、彼のジャンプに大きな違いがあるのが分かりますよ。基本から3Aをやり直してすっきりしたのは良かったと思います。
T: 4Sはパトリックのレパートリーに入れますか?プログラムに強制的に(笑)入れることは?羽生結弦もハビエル・フェルナンデスも4回転を3つ入れているのはご存知でしょう。
K: 必要なのは3Aか4回転のどちらかを一つ増やす事。でも両方は要らないと思います。このプログラムでは多くの事をやっているのでパトリックはまとめることに集中したいと望んでいる。4分半に4回転を3つ4つ、3Aを二つ入れたら何か削除しないといけないし時間が足りない。プログラムを延長するわけにいかない。何もかもやることと技術とのバランスを保たなきゃ。パトリックは自分のスケートを高めたい、スケートというものを変えたいと強く望んでいます。彼には世界一のスケーティング技術もあり、構成点は常に高い。ジャンプは回転が素晴らしく、豪快。迫力があり力強い。さて、誰が優勝するか楽しみですね。
T: 今年のプログラムについて教えてください。SPの「マック・ザ・ナイフ」とLPのショパン「スケルツォ第1番」。選曲のいきさつは?
(4. に続く)
(4. 続き)
K: 振付けのデヴィッド・ウィルソンは素晴らしい天才。最高の作品を作ります。彼とパトリックと私の3人で密に協力し合い、プログラムを作り上げました。私がボビー・ダーリン版の「マック・ザ・ナイフ」をみつけ試聴用に渡したところ、パトリックは大変気に入りデヴィド・ウィルソンへ。デヴィッドはマイク・ブーブレ版の方が現代的でいいと言い、私もパトリックも気に入って。SPはショーから競技へ方向転換する曲を探していて、ショパンがいいということに。デヴィッドが何曲か持って来てみんなで聞き、パトリックが採択。彼が滑る曲だから、最終的には彼が決めます。私達が選んでも彼が気に入らなきゃお蔵入り(笑)。選曲は念入りに行いました。
T: 競技に戻り、ご自身はどう感じていますか?
K: 去年は他の選手たちをコーチしていました。年間を通し今もコーチしています。世戦出場のアイスダンスチーム、カナダのウィーバー&ポジェとも去年、組みました。コーチを止めてた訳じゃないんです。表舞台からちょっと遠ざかっていたけど、それも楽しかったですよ(笑)。でも復帰も嬉しいです。
T: ちょっと変わった雰囲気をお持ちですね。選手やコーチには厳しい雰囲気の人がいますが、あなたはよく頷いてニコニコしている。パトリックと前向きに接して伸ばしているようですね。それはあなたの性格ですか?それとも氷上のパトリックには同意や肯定が必要なのですか?
K: 私の性格だと思います。ポジティブな精神を信じているので。手直しする時も譲れない時も悪い知らせがある時も、ポジティブであるよう心がけています。その方が効果的だし、選手と信頼関係も築ける。それでなくても大変な事が多いですからね。選手をよく知り最高の結果が引き出せるよう、穏やかで前向きな環境作りを心がけています。
(5. に続く)
(5. 続き)
T: フィギュアスケートのファンには批評好きがいます。我々みんなそうですが。選手の演技だけでなく、選曲、衣装、TVの解説者、コーチなど何でも批評対象です。パトリックはもっと技術面に長けたコーチを選ぶべきだとの批判がネットに上がっていますが、どう思いますか?
K: 正直言って全く気になりません。ネットの書き込みは読まないのでそういう話は知らなかった。読んだ方がいいかしら(笑)。本当、読まないので何と言ったらいいか。評価が入って来る時は、人から直接です。そうですね、気になりません。私がコーチしている選手がもしそう思うなら気にしますが。またはスケート協会がそう思うなら。それ以外は関係ないですね。私は他の人と違って…(インタビューはここで中断)。
*****
最後に画面に出た注意書きによると、このインタビュー中、ミーティングのアナウンスがあり、中断。ミーティングではエリック・ボンパール杯の中止が発表されたとのこと。視聴者へ謝罪と感謝の言葉も添えてありました。
インタビュー後半、周囲の雑音が入り聞き取りにくいのが残念。司会のテッドも微妙に迷惑顔になってます(笑)。外国語に混じり日本語の声も聞こえます。フリー中止直前でざわついていたんでしょうね。
このインタビューでは触れていませんが、ジョンソンコーチはモダンダンス出身。バランスや軸を重視する背景はそこなんですね。アルトゥニアンコーチとはアプローチが全く違っていておもしろかったです。ジョンソンコーチはお母さんのように優しく、でもしっかりP.チャンの手綱を握っている感じが伝わりました。スケートは上手いけど体操のようだったP. チャンの演技から音楽を感じられるようになったのは、彼女の功績が大きいのかもと思いました。
FSF様。
翻訳ありがとうございます。
間違って聞き取ってたとこが多々あるので助かります!!
このコーチは上手にパトリックの手綱をひいてて、いつも暖かい笑顔で接してるとこがいいです。
選手だけでなく、コーチも常にいろんな批判にさらされてて大変なんだなぁ。
トップになるには、選手の才能はいわずもがな、心から信頼できる優秀なコーチの存在があってこそなんだとつくづく。。
FSF様
貴重なインタビューの翻訳ありがとうございます!
インタビュアーの男性が言ってるようにキャシーコーチがここまで長く詳細に語るインタビューって希少ですよね。
優しくも聡明で厳しさも持っているお人柄が垣間見えました。
3Aは必ず二つ入れるべきという話をキャシーがして技術面を見直した所にはファンとして安心を覚えました(笑)
改めて今シーズンパトリックを見守っていこうという気持ちを強く持ちました。
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