エフゲニア・メドベデワやポリーナ・ツルスカヤを指導しているエテリ・トゥトベリーゼコーチのインタビュー動画です。インタビューワーはGolden Skate(www.goldenskate.com)のジャーナリスト、テッド・フレッド氏です。映像は「Golden Skate」のYouTube公式チャンネルで配信されたものです。
エフゲニア・メドベデワやポリーナ・ツルスカヤを指導しているエテリ・トゥトベリーゼコーチのインタビュー動画です。インタビューワーはGolden Skate(www.goldenskate.com)のジャーナリスト、テッド・フレッド氏です。映像は「Golden Skate」のYouTube公式チャンネルで配信されたものです。
“エテリ・トゥトベリーゼ Golden Skateインタビュー (2016/11/17-英語)” への6件のコメント
エテリ・トゥトベリーゼコーチのインタビューをまとめてみました。このインタビューは今年10月、スケートカナダの会場にて行われたものですが、話題の中心はエテリコーチと昨季のボストン世界選手権です。会話は要約してありますが、直接引用した部分もあります。意訳、省略ありです。修正、付け足しなど大歓迎です。
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エテリ・トゥトベリーゼ
エフゲニア・メドベデワなど有力フィギュアスケート選手のコーチ。モスクワで指導。
テッド「美貌のコーチとして有名ですが、美しさの秘訣は?」エテリの答え。ありません(笑)。秘訣があればいいのに。眠るのは好き。長時間は寝ませんが。睡眠は美容に良いかも。朝は苦手で8時半より早起きはしない。朝5時から7時の間に起きると最悪の気分(笑)。フィギュアスケートコーチはみんな早起き。米国では4時5時起きで辛かった。これが米国を離れた理由。そこまでフィギュア愛が強くなくて(微笑)。モスクワに戻ってからは、教えるのは午前11時以降。朝はまるで別人で全く機能しません(笑)。
テッド「ファッションセンスが素晴らしいですね。」
エテリ「そうかしら。ありがとう。」
テッド「あはは。僕じゃなくてフィギュアスケートファンの意見ですよ(笑)」
エテリ「ありがとう。」
ロシア女子の躍進
ロシア女子の躍進は、選手の層が厚くなり競争が激化したためだとエテリは次のように語っています。女子のスケート人口が多いのに、モスクワにはリンクが2面しか無く、かなり優秀な選手でない限り市の大会に出場することすら難しい。ジャンプ、スケ―ティング、スピン、全てがずば抜けていて、やっと出場できる。それほど優秀な選手が多い。
テッド「ロシア女子は90年代から2000年初頭にかけ、イリーナ・スルツカヤやマリア・ブッテルスカヤが大活躍。その後は何年も停滞。ところが今は強豪がひしめいている。この間、何があったのでしょう?」
エテリ「私がモスクワに戻って来ました(微笑)。」
「状況を変えたのは、あなたということですね?」テッドが念を押すと、エテリは「さあ、どうでしょう」と笑い、スケート環境の変化に話題をシフト。以前、モスクワにリンクは2面ほどしかなく、しかも貸し切りだった。当時盛んだったのはスケートよりホッケー。その後、モスクワ周辺に20面程スケートリンクができ、多くの子供たちがスケートを始めるようになった。その子たちが成長し、現在に至る。今では地元の大会に出場するのも激戦。
20016年ボストン世選
テッド「シニアデビューの昨季、大活躍を見せたエフゲニアですが、ボストン世選は自信を持っていましたか?それとも緊張?」エテリの答え。エフゲニアは美しいボストンに行けるだけで喜んでいた。以前、米国に住んでいた私でさえボストンは自分の知っている都市と洋装が違っていて驚いた。まるで米国じゃないみたい。エフゲニアはボストンで滑れて嬉しそうだったが、大会に臨む覚悟はできていた。
テッド「昨季、エフゲニアは練習でかなり高度な技に挑んでいましたが怪我は?」エテリの答え。小さな怪我はあったが大きなものはなく、順調だった。ボストンではエテリ自身が緊張していた。緊張はいつものことで仕方がない。対策は特に無く、自然体(微笑)。
コーチとして
テッド「コーチとして脚光を浴びたのはユリア・リプニツカヤが国際大会で躍進した2013-2014年ですね。」
エテリ「あの頃のユリアは美しいスケーターでした。」
テッド「一流コーチとして3季が過ぎたと言ったところでしょうか。」
エテリ「さあ?おそらく…。教え子らが育っただけでしょう。来季もその次も新しい教え子が欲しいです。みんな育っているので。育つにはある程度時間がかかります。」
テッド「ラファエル・アルチュニアンやフランク・キャロルなど名伯楽と一緒にボード傍に立つと気後れしませんか?」
エテリの答え。コーチを始めた頃のラファエルを知っているので。当時、私はシングル選手で、コーチがラファエルを助手として応援に呼んでいた。私は自分の仕事をやり遂げるだけ。他のコーチに気後れすることなく、落ち着いている。「どのコーチもすべきことをしているのです。」
テッド「10年間表彰台を逃し続けている米国女子にボストンでは舞台と立役者がそろい、戦況はロシアに厳しいと感じましたか?」
エテリ「いいえ。エフゲニアが実力を出せば、メダルが競えると信じていました。」
グレイシー・ゴールド
テッド「ボストン世選では女子の練習を色々観察されたでしょうが、グレイシー・ゴールドの印象は? SPで1位でしたが。」
エテリの答え。昨シーズン、グレイシーとはスケートアメリカなどで何度か顔を合わせていた。手強い選手。演技をまとめて来ると厳しいのは分かっていたが、エフゲニアも強いので闘えると思った。」
アシュリー・ワグナー
年々、強く巧くなっていて驚かされる。自信を持って滑っていて、素晴らしい。エテリはアシュリーをこう絶賛する一方、異論も唱えます。「十代の若手選手と違って私は芸術的に、より深く女性を描写します。」このアシュリーの言葉に対するエテリのコメント。「女性を表現するのに豊かな肢体は必要ありません。私も豊満なタイプではないが、女性です(笑)。大事なのは見た目ではなく、何を感じ、何を観客に伝えられるか。いかに感情や感覚を表現できるかに尽きます。だから(アシュリーには)同意できません。」
エレーナ・ラジオノワとアンナ・ポゴリラヤ。
二人ともとても強い。(世選の)アンナ・ポゴリラヤからは覇気を感じた。ミスのない滑りが求められたが、ノーミスだったのはシーズン初だったと思う。
テッド「あの滑りには心が湧きましたね。浮き沈みの激しいシーズンで、大きな転倒が目立っていました。転べばアンナも観客も演技に戻れない。ネット上でも叩かれていました。でも試練を乗り越えて素晴らしい演技を見せてくれた。SPとFSを併せ、跳んだ三回転は10本。素晴らしかった。」
エテリ「長年同じリンクで練習し、よく知っているのでアンナならできると思っていました。」
世界新記録
単なる得点だと考えている。試合が違えばジャッジも出場メンバーも異なり、条件が同じではないので、単純に点数の比較はできない。エフゲニアも私と同じ考えで記録は気にしない。オフシーズンの訓練中も世界記録に奢ることなど全くなかった。今大会でも減点のあった箇所について話し合っている。世界記録は関係ない。
衣装。
エフゲニアの衣装はいつも手袋がついているとテッドから指摘を受けてのエテリの答え。FSでは手袋をしていない。昨季のSPも手袋は無し。衣装によってつけたり、つけなかったり。手袋が手や指の動きを強調すると考えているわけではなく、単に衣装と組み合わせ映えるならつける。衣装のデザインにはいつも関与している。少々イメージが違うと思うこともあるが、うまく説明できなくて(笑)。衣装デザインはエフゲニアも参加するが、かなり私に任せてくれる。曲の感じやイメージから衣装デザインのインスピレーションを得る。
選曲
選曲も任せてくれる。選曲は私と振付のイリヤ・アベルブフの二人で行う。まだ16歳に難曲では?と聞かれ、エフゲニアは来月で17歳。選曲についてはよく話し合う。エフゲニアの意見も聞き、意見交換の中で曲を理解していく。
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以上です。トゥトベリーゼコーチのインタビューからは、見た目通り凛としたプロフェッショナルという印象を受けました。終始にこやかに受け答えされていましたが、真剣なのか冗談なのかちょっと判断がつかない場面も。メドベデワ選手と固い信頼関係を築いているのは伝わって来ました。理路整然と、はっきりものを言うので指導者として有能なのも頷けます。反面、もしや天然?と思うところもあり、個人的には楽しく興味深く視聴できたインタビューでした。みなさんはどう感じられましたか?
FSF様、翻訳ありがとうございます!インタビューを聴きながら読ませていただきました。エテリコーチの返答に独特な間があって、最初はテッドさんを翻弄するためにわざと?と勘繰ってしまいました(笑)終始落ち着いていて、滅多なことでは動じなさそうなイメージです。
印象深かったのは、メドベデワ選手の衣装と選曲について”she trusts me”と言っていた点です。何だか重たく感じてしまったのですが、FSF様の訳に、なるほど意外とニュートラルな意味なのかなと思いました。リプニツカヤ選手の「あの頃」はとても切ないです…><
いつもありがとうございます。
エテリは、実際見たことがありますが、本当に美人。スタイルが良いです。他の選手のことも褒めていますね。
点数を醒めた見方をしているのが印象的ですね。試合やジャッジや出場メンバーによって違うと考えているのが興味深いです。
単なる記録点、向上の為に活用。
朝が苦手でロシアにとは冗談にしてもへーって感じです。あれだけの選手を育てていて、やはり素敵な面のある面白い人ですね。
ご苦労様でした。
FSFさん いつも翻訳ありがとうございますm(_ _)m
皐月さんと連携プレーで あちこちの動画を訳して下さって、聞き取り音痴にとっては 本当に大変ありがたいです。
最近は 大きな大会なら必ずと言って良いほど見かけるエテリコーチ、正直 なんだか掴みどころがないというか 感情や考えていることが読めない人だな〜という印象を持っていましたが、こうして話を聞くと とっても興味深い内容でした。
エテリさんは 本当にいつ見ても堂々として落ち着いていて、なんというか浮き足立つということがなさそうなので、送り出される選手にとっては とても心強いかも知れませんね。
海外では 日本の濱田コーチが「日本のエテリ」なんて言われたりしていると聞いいたことがありますが、個人的にはニコニコしてリアクションがわかりやすい濱田コーチの方が好感度が大きいですけど…(^^;
(もちろん、日本人だから ということもあります♪)
私の中では、世界で最も勢いのある3大コーチ(のチーム)は、シングルなら エテリコーチ・オーサーコーチ・濱田コーチ の3人なんですが(笑)
でも 教えているのがほぼ自国の選手だけで、さらに男女とも良成績の選手を抱えているという点では、エテリコーチが一番すごいかも。。。
これがフィギュア・ブログかと思うほど重厚なサイト。
(ありがとうございます)
エテリさま、ちょっと怖いイメージ。
最近経歴などこのブログでわかりました。朝が弱い、わかる~。
ロシア女子のフィギュア事情も一時期空白があり
現在はリサーチ不可能レベルの激戦。
代表になれなかった子達のその後も他国ながら心配ある。
タラソワさんの次に浮かぶ次世代の名コーチ。
そのためにはチャンピオン排出が今後も第一。
個人的にはこの道場がメドベデワ選手タイプを理想形とするなら好きになれそうにない。
そうそう、濱田コーチのところにには、海外の親御さんからもコーチ依頼がたくさんあるそうです。でも大学内のリンクという事情から断っているそうです。濱田コーチは、日本では佐藤コーチを尊敬しているようですね。あるインタビューでその二つのことを知りました。
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