カナダ開催のスケートカナダ2017、女子シングル第3位アシュリー・ワグナーのインタビュー動画です。インタビューワーはGolden Skate(www.goldenskate.com)のジャーナリスト、テッド・フレッド氏です。映像は「Golden Skate」のYouTube公式チャンネルで配信されたものです。
カナダ開催のスケートカナダ2017、女子シングル第3位アシュリー・ワグナーのインタビュー動画です。インタビューワーはGolden Skate(www.goldenskate.com)のジャーナリスト、テッド・フレッド氏です。映像は「Golden Skate」のYouTube公式チャンネルで配信されたものです。
“アシュリー・ワグナー Golden Skateインタビュー (2017/10/31-英語)” への7件のコメント
誰か、少しでいいので翻訳してくれるとありがたいです!
興味深かった箇所を大まかにまとめてみましたので、投稿させていただきます。間違いや言葉足らずな点がありましたら、ご指摘いただければ幸いです。
(T:テッド・フレッド、A:アシュリー・ワグナー)
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T:今大会はどうでしたか。良い点・悪い点、どちらもあったと思いますが。
A:堅実な試合になったと思います。2つのプログラムをまとめて、目標であった3F-3Tを着氷しました。コントロールできていたと思います。SPは少し乱れ、締まりがありませんでした。でも尻込みしたわけではなく、自分のペースで滑った結果なので、ポジティブにとらえています。SPの自分に腹が立ち、FSでは集中し直しました。FSで集中し、計算しながらも心地よく滑ることができたので、表彰台に立てたのだと思います。今大会では自分にとって必要なことができました。
T:SPは2015-16シーズンと同じ『Hip Hip Chin Chin』を選びました。過去に上手くいったプログラムを改めて演じるのにあたって、難しさはありますか?
A:夏の間に練習してきたことが、今回のSPでは発揮できませんでした。これまでショーでも滑っていたプログラムなので、その感覚に戻ってしまいました。だから「ここはスターズ・オン・アイスじゃない」と自分に言い聞かせなくてはなりません。スポットライトの効果がない分、動きをきっちり、はっきりと見せなくてはならないので。それがわかったのは収穫でした。2015-16シーズンを終えたときから、オリンピックシーズンのSPもこれにしようと決めていました。正しい選択だったと思っています。
T:FSは『ラ・ラ・ランド』から『ムーランルージュ』に変更しました。
A:まず「3回も同じプログラムをやるの?」と言う人には、「私だけじゃない、ユヅもそうよ。彼の場合はSPだけど」と言っておきたいですね(笑)。『ラ・ラ・ランド』はとても気に入っていました。シェイ=リーンが振付けてくれたとても美しいプログラムです。映画館で観たとき「私がオリンピックシーズンに必要な音楽はこれだ」と思いました。でも日々練習する中で、ワクワクしていない自分に気づきました。夢見るようにポジティブなプログラムなのですが、私にはもっとネガティブでドラマティックなものが必要だと。ラファエル(コーチ)に「『ラ・ラ・ランド』でいいのだろうか」と尋ねたら「いいプログラムじゃないか、なぜそんなことを聞くんだ」と言われました。「いいプログラムではあるんだけど・・・」と答えたら、『ムーラン・ルージュ』を滑ってみなさい、と。最初の2Aを降りたところで彼は音楽を止め、「これで行こう」と言ったんです。ラファエルの言葉は今の私にとって、一番大きな意味を持っています。だから彼がそう言ってくれたことで、この決断が正しいと信じて進むことができました。『ムーラン・ルージュ』の練習を始めたら、とても活き活きとしてきました。皮肉なことですが、3年目のプログラムのおかげで、新鮮な気持ちでスケートに取り組めているのです。1週間半ほど前に手を加えたばかりなので、今回は抜けてしまった振付もありますが、3週間後のスケートアメリカでは新しい振付の効果を発揮できると思います。
T:ケイトリン・オズモンドはワールド銀メダリストとして今大会に臨みました。丁度1年前のあなたと同じ立場です。彼女の活躍を見て、ほろ苦い思いを感じたりするのでしょうか?
A:いいえ。私には競争心がありますが、一番の競争相手は他でもない自分自身です。他の選手たちの活躍は、自分とは切り離して考えられますし、祝福できます。他の選手の心配をするくらいなら、自分の衣装の心配をします(笑)。周りの活躍に影響されるのではなく、自分の力で自分を高めたいです。今大会から持ち帰るのは「堅実な演技ができてよかった、次はもっと良い演技をしよう」という事実だけです。
T:ヘルシンキのワールドではもっと上の結果を望んでいたと思います。何があったのでしょうか。
A:実は、3年間付き合っていた彼に、ワールドの直前に振られたんです。色々上手くいかない時期で・・・。個人的な恋愛のことだけでなく、昨シーズンはもがき苦しんでいました。毎日のように新しい選手が出てきて、勝負は厳しさを増していきます。自分は全米選手権も制したし、ワールド・オリンピック(団体戦)・GPSのメダルもとった。今日にでも満足して引退できる状況だ。やり残したことはあるのだろうか、と考えて苦しかったのだと思います。それに、今の自分にオリンピックでメダルを取る力はないのに、オリンピックシーズンにこだわって続ける意味はあるのだろうか、とも考えました。ワールドではそうした様々な思いが入り混じっていました。自分の競争相手である、強くて若い、才能ある選手たちを目の当たりにしたというのもあります。ワールドが終わって肩の荷が下りると、ようやくオリンピックという目の前の目標に向かって集中できるようになりました。今大会のような出来では無理ですが、自分にはオリンピックの表彰台に上がる力があるのだと、そう思って続けています。
T:エフゲニア・メドベデワがワールドのSPの後で、尊敬するスケーターとしてあなたの名前を挙げていました。「アシュリー・ワグナーの表現の多様性は素晴らしい。彼女は抒情的にも、ダークにもなれるし、緊迫した表現もできる。とても尊敬している」と。どうやって様々なキャラクターを演じ分けるのですか?また、メドベデワの言葉をどう思いますか?
A:メドベデワはフィギュアスケート史上最も才能あるスケーターの一人です。彼女が私のことをそう言っていたなんて、ものすごく舞い上がってしまいます。彼女こそ顔の表現の達人ですし・・・質問、なんでしたっけ(笑)。
T:あなたの表現の多様性についてです。
A:そうでしたね。私は正気じゃないから、というのは冗談として、プログラムを通して色々試しています。鏡に向かう時間をとって、感情を伝えられているかを確認するんです。顔の表現で何かを伝えるには、シンプルかつドラマティックに、不自然にならない程度に大きな表情をつくる必要があります。時には不細工に見えることもありますが、見る人に自分の意図を伝えるためならば、怖がってはいけません。周りがどう思うかを気にせずに練習することです。
T:オリンピック代表選考を控え、他の米女子選手について。
A:オリンピックシーズンのGPSはとても重要です。今のところ米女子でメダルを取ったのは自分だけなので、それがある程度は緩衝剤になってくれると思いますが、だからといって他の選手を除外することはできません。皆、とても競争力のある選手たちです。ミライがすべてをまとめれば熾烈な競争相手になるでしょうし、カレンも既に実力の程は示しているので、あとはいつその力を発揮するかです。彼女たちから目をはなすことはできません。私は彼女たちの持つ力を知っているので、試合の時にその力を低く見積もることは決してありません。
ミライが3Aを決めたのはすごいことです。米女子が競技のレベルを押し上げることができる、と世界に示しました。それも、よりにもよって、ミライがやってみせたんです。彼女はとても多くのことを乗り越えてきました。自分の定めた目標に向かって粘り強く取り組み、かつて彼女を見限った人たちが間違っていたと証明したのです。とても尊敬します。ミライはオリンピック代表に値すると思います。私を含め他の選手の出来にもよりますが、ミライのプログラムは技術的にとても強いですから、まとめることができれば代表入りするでしょう。
T:グレイシー・ゴールドは抑うつと摂食障害の治療のため、GPSを棄権しました。その公表の前に彼女と話したそうですが、会話の内容について少し聞かせていただけますか?
A:ええ。彼女は大きなプレッシャーを抱え、とても疲れていました。彼女はいつもメディアの注目の的で、メディアに対して適切な対応をしてきましたが、それは彼女のアイデンティティからたくさんのものを奪いました。いつも完璧でなくてはならないと感じ、自分と向き合う機会がなかったのです。周りは簡単に推測で物を言いますが、結局のところ、彼女は「もうこんな思いはたくさん。もっと楽な気持ちになりたい」と言っているのです。トップアスリートである彼女にとって、スケートは人生であり、情熱であり、アイデンティティです。それをすべて保留にして自分と向き合い、自分を取り戻そうとするのは、とても勇気のいることです。彼女は立派だと思います。グレイシーとは今も連絡を取っています。昨年の間にずっと距離が縮まりました。今では随分元気そうで、前を向いて進んでいます。数か月後の彼女が楽しみです。周りには驚かれるのですが、私たちは両方とも「タイプA」の性格で(笑)、思っていたより多くの共通点がありました。グレイシーの復帰はないと考えている人がいたら、それは間違っていると言いたいです。「情熱は理屈をしのぐ」のですから。
T:全米選手権での目標は?
A:優勝してオリンピック代表に入りたいと思っています。(全米4位だった)前回のように、代表になれるかわからないまま夜を明かすのはもう嫌です。準備を整え、コントロールされた状態で臨みたいです。その数週間後にはオリンピックですから、ピーキングが難しいですが、少なくとも全米では、力強く調整されたプログラムをジャッジに披露する必要があります。そうすれば結果はおのずとついてくると願っています。もちろんミスをしていいというわけではありませんが。もしGPFに出られた場合、全米までの準備期間は3週間しかなくなりますが、代表選考には大きなステップになるので、きっと出場すると思います。
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以上です。その他に、衣装、失恋が表現力に与える影響、コーチとの関係、などの話題がありました。長洲選手やゴールド選手について語っている箇所では、思わずホロリときてしまいました。スケートアメリカで、ブラッシュアップされた『ムーラン・ルージュ』を見られるのが楽しみです^^
OPシーズン前にアスリートヌードを披露したり、何かあったんだろうかと心配してましたが彼氏と別れてたのか・・・。そういう心境の変化もあったのかな。希望に満ちたプログラムではなくてダークなものをあえて選んだというのがとても正直で共感します。でもただダークなのではない。優雅さがなければフィギュアじゃない。とってもパワフルだけどブラック・スワンのようなエレガントな滑りもできるのが彼女の魅力。ラ・ラ・ランド。ちょっとみてみたかったな。
。+゚*。(*ゝ∪・)+тнайк++чоц+(・∪<*)。*゚+。
皐月さんありがとうございます。翻訳では皆さんに世話になりっぱなしだなぁ。
流石にベテランのアシュリー選手は冷静に自己や他者を分析できてると感じました。曲や振り付けのことや他の自国の代表候補、他国のメダリストやメダル最有力候補選手のことなども。
日本の選手にも当てはまりそうな部分もあってとても興味深い内容でした。
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皐月さん、
端正な翻訳をどうもありがとうございます。隣で別のインタビューが続行中のようで、雑音が入り、ちょっと聞き取りにくいインタビューでしたね。
拙訳を過分に褒めていただき、恥ずかしいけど嬉しいですw 私は、皐月さんからまとめ方や表現を学ばせてもらっていますよ。
ワグナー選手は、演技もそうですが、言葉も表現力豊かですね。早口でまくしたて詳細に話しますが、論点が明確で無駄な部分がほとんどない。オープンだけど繊細。ハッピー&ドリーミーなだけじゃ物足りなく、プログラムにも人生にも負の部分も欲しい、ドラマが欲しいってw 面白い個性の持ち主だなあと感じています。
五輪出場は怪我などない限り当確でしょうね。スケートアメリカ、楽しみにしています。
残りの部分を訳してみました。意訳、省略ありです。誤訳の訂正、補足など歓迎です。
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T=テッド・フレット、A=アシュリー・ワグナー
SPの衣装
T: 衣装はどうですか?
A: もう大混乱。SPの衣装は変えます。「アメリカンダンスアイドル」で『Hip Hip Chin Chin』をセクシーに踊ったレイシー・シュイマーの衣装をヒントにしたもので、気に入ってるんですが。舞台と違い、アイスアリーナは照明が明るくて思ったような効果が得られませんでした。だからデザインをやり直すことにしました。
T: どんな風にしたいですか?構想は?
A: この大会で観たラテンダンスとか、あちこちにヒントはありました。アイスダンサーの衣装を参考にしようと思ってます。楽しみ。
FSの衣装
A: 『ムーラン・ルージュ』は、今の衣装でいいのかまだ迷ってます。最適な衣装を探します。今回いい結果を出してくれたので悪くはないかな(笑)。
T: 2015-2016シーズンに赤からオフホワイトに変えましたが、赤に戻すんですか?
A: どうかしら(笑)。衣装は演技の面からも考えなきゃいけないので、(陽気な)ボリウッド系の曲調に合った衣装にしたいです。だけど、曲が中盤から『One Day I’ll Fly Away』※(直訳=いつの日か、私は飛び去る)に変わると、落ち込んだ感情を露わにするので、極端なボリウッド衣装だとチグハグになってしまう。観客のみなさんは「一体、どこへ飛んでいく?」と思うでしょうね(笑)。衣装は完璧でなきゃ。きっちり採寸して、これから衣装の準備で飛び回ることになります。
※『One Day I’ll Fly Away』の邦題は『愛ふたたび』]
失恋が表現に与える影響
T: 失恋の経験が、より深みのある感情表現をする上で糧になったという面はありませんか?
A: ああ!あります!普段の私は、感情的な方ではありません。でも私にとって氷上は感情を表現し心を開く場所なんです。私の演技を観ている方に演技から何かを感じ取ってもらえると思うと励みになります。だけど辛い時は、それが演技に出てしまう。演技と感情を分けるのは難しい。これって、幸いであると同時に災いなんです。辛い体験をしたのは、心が張り裂けそうなキャラを演じる上で確実にプラスになりました。
今後のプラン
T: 今季はペース配分をしながらスケートアメリカを目指し邁進中ですね。もちろん、全米、五輪出場も視野に入れて。今後のプランは?
A: 今年のシーズンは長いので、ペース配分をしています。幸運にも私のGPSは2戦とも地元。できるだけ本拠地から離れずトレーニングに集中したいです。スポンサー関係の仕事・メディアに出る機会とトレーニングのバランスを取りつつ、スケートアメリカを目指し強化して行きます。五輪はもうすぐそこまで来ています。時間はあっというまに経つので、プランが大事。ラファエル(アルチュニアンコーチ)と私は今回、お互いをよく理解し合っています。相手のことを良く知り、何を期待しているか分かっています。ラファの要求や期待に以前よりうまく答えられると思います。私たちは効率の良いチームなので、必要な時までに必要な準備を整えます。
コーチとの関係
T: 貴方は情報通で歯に衣着せないタイプのアスリートですね。意志が強く、自信家だ。ラファエルと意見が対立したらどうなりますか?
A: 私はとても頑固で、以前はよく反発しました。認めます。私は決して扱いやすい相手じゃない。でも私はラファに師事しているので最終的に決めるのは彼です。ラファは私を大人のアスリートとして尊重してくれます。よく私に言ってます。「君は26歳の大人だ。怒鳴りつけたり無理強いしたくない。意見は言うが、それを聞くかどうかは君次第だ。聞かない場合は自己責任で。」最高の指導だと思います。私は大人だし自分で判断できますから。ラファの言うことは100%、私のためになります。
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以上です。皐月さんが訳して下さったケイトリン・オズモンドのくだりで「他の選手の心配をするくらいなら、自分の衣装の心配をします(笑)。」とアシュリーが答えていましたね。衣装を変えるということで、観る方としては楽しみですが、アシュリーは大変です。
こちらの翻訳とてもありがたいです。じっくり読ませてもらいました。
ハッキリものを言いながらも優しさがある内容でいいですね。
スケカナを見て今の彼女にムーランルージュをもう一回は正解だと感じました。
カレンも未来もゴールド選手も本当魅力ある演技をする選手。みんな頑張ってほしい。
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