浅田真央 フランス大会2008 フリー

2008年グランプリシリーズ第4戦、フランスのパリで開催されたエリック・ボンパール杯(フランス大会-Eric Bompard Cachemire 2008)、日本代表-浅田真央(Mao ASADA)のフリースケーティング演技の動画です。


Date:2008年11月15日
曲名:アラム・ハチャトゥリアン 「仮面舞踏会」 
(Masquerade by Aram Khachaturian)

技術点:51.59
構成点:58.88
解説:1.00
合計:109.47

B003WJY67OThree Suites
The Tchaikovsky Symphony Orchestra

日本人の応援も多いパリの会場で、世界女王の会心の笑顔は見られずじまい。「100%に程遠かった。初戦で課題がたくさん見つかった」。2位に終わった浅田真は肩を落とした。

ジャンプミスがあったSPの後、「強気でできなかった」と話した。この日は練習で復調の兆しも見せていたが、「練習も、試合も同じ気持ちで臨むことができていない」と打ち明けた。

自信のなさは、最初から表れた。高難度の新技、3回転半-2回転の連続ジャンプに挑む予定が、トリプルアクセルを跳んだ時点で「失敗すると思ったので」回避し、単発とした。

ジャンプの回転不足が3つと転倒。踏み切りに不安が残るルッツはトーループに切り替え、実施した合計基礎点は、4位のフランス選手とほぼ同じまで落ち込んだ。

「ジャンプの申し子」は、ここ1、2年で表現力にも進境を見せていた。しかし、「ジャンプが跳べないと何も始まらない」。自分の原点が揺れ動く現状では、演技に勢いは生まれない。大差の敗戦も、仕方なかった。

昨季もシーズン序盤は苦戦した。しかし、SP、自由とも精彩を欠くのは珍しい。今季から指導するタラソワ・コーチは「こういうシーズンの始まりは真央の伝統。少しずつ変えるように頑張っています」。ファイナル進出が懸かるNHK杯は2週間後。吹っ切れた姿が見られるだろうか。

(時事ドットコム)

2008年11月13日-16日フランス・パリ開催 GPS4戦エリック・ボンパール杯2008(フランス大会)の出場選手、日程、結果。女子はジョアニー・ロシェットが優勝、浅田真央2位。男子はパトリック・チャンが優勝、小塚崇彦2位。

(日本語)

(イギリス英語)

解説:Chris Howarth (以下C), Nicky Slater (以下N)

C: さあ、現時点で2位、18歳、日本のMao Asada 、現世界選手権チャンピオンです。けれどここパリではいつも通りにはいっていません。

C: 本当にわくわくするようなスケーターです。さあ、手始めにこれを見てみましょう。とてつもないトリプルアクセル!両足着氷にはなりましたが。

N: スピード、力強さとスペースの使い方、キャロラン・ジャンに比べると楽々とこなしています。リンクを隅々まで使っています。

C: 彼女らしくないミスがありました。ループはダブルです。

C: 素早く軌道修正しています。3F-2Lo-2Lo。要素が詰め込まれています。

N: 規定要素のひとつ、スパイラルステップシークエンスは素晴らしかったですね、レベル4です。だけどサルコウは…うまくいきませんでした。踏み切りのエッジでつまづいてしまいました。…そしてフリップもきれいには決まりませんでした。これはちょっと「走って、走って、ジャンプ(skate, skate, jump)」の様相を呈してきましたよ。

C: トウループ、ダブルアクセル。

C: エンディングにふさわしい素晴らしい(super)スピン。レベル4です。その直前のステップはレベル3。けれどミスの多いプログラムでした。そしてもちろん彼女は満足していないでしょう。

N: 彼女のコーチ、タチアナ・タラソワはこの曲で彼女にとんでもないバックドロップを食らわせてしまいましたね。ハチャトゥリアン作曲の「仮面舞踏会」です。現時点での彼女の演技からしたら、僕にとっては重すぎるかな。
もっと優雅な曲の方が流れが良くなるかもしれません。うまくいかないとインパクトがなくなってしまうんですよ。そしてミスがたくさんあった。最初は良かったですよね?流れがあって、力強く、リンクの使い方も良かった。すべてうまくいけばこの音楽にも勝てるかもしれません。けれど、今日は残念ながらそうではなかった。うまくかみあわなかったんです。観客も戸惑っていました。(プログラムに)盛り込まれている全体の高揚感が失われてしまうのです。スケーターが気の毒にさえ思えてくるんです。演技に対して曲が壮大すぎるんですね。

<演技のスロー再生映像>

C: 最初のトリプルアクセルを見てみましょう。3回点半、しっかりとしています!着氷をほんの少ししっかりさせるために左のトウをつけていますね。そして彼女は同じ事をプログラム最後の3Tでもしていました。彼女は3Tは眠っていてもできるはずなんだけどね。これがフリップ、こちらはいいですね。2Lo、そして最後の2Loは腕を上げています。これは非常に質の高いコンビネーションでした。スピンもとても良かったです。恐らくすべてのスピンでレベル4でしょう。スパイラルシークエンスも、ニック、君が指摘したようにレベル4だね。

N: もちろん(レベル4は)レベルの中でも一番高いものです。本当によく練習して上手に出来ていますね。レベル4なんてどこからともなく湧いて出てくるようなものじゃないよ。事前にジャッジの前に出て、やって見せないといけないんだから。

N: ああ…。

C: なんて災難だ…ほら、左肩が後ろに下がってる。早く諦めすぎちゃったね。だけど…このミスの数々は高くつきますよ。なぜなら技術面で言えばこのプログラムはキャロラン・ジャンのものほど難しくなかったですからね。

N: そしてスロー再生の後ろでかかってる音楽をもう一度聴いてると、僕にとってはパワーのあるアイスダンス選手を連想させるこのオーケストラ調の力強いリズムよりも、もっとロマンチックで女性らしい曲の方が合っているんじゃないかと思いますね。もっと柔らかい曲の方が彼女の魅力を引き出すんじゃないかな。でも、これをタチアナに言うと多分彼女は「ニッキー!彼女はこんなものじゃないのよ!(もっとうまく出来るのよ)」って言うんだろうな。

C: そんなの見たくないな。そんな会話は見たくないよ。誰が興奮するか想像がつくし…。

N: いや、ありうる、ありうる。彼女わかってるから…わかってるから。

C: まぁ、それはおいておくとして。スコアは恐らく2位につけるくらいの点数は出るでしょう。あるいは現時点で首位に立つかもしれません。だけど技術点は全然良くないですね。51.59。ご覧のように、これはキャロライン・ジャンよりも4点近く低い。けれど芸術点はずっとずっと高いですね。サルコウの転倒で1 点引かれています。そして総合的には、今日のような演技であっても、あと一人を残してMao Asadaが首位です。

イギリスEuroの和訳はみつば様にご協力していただきました。有り難うございました!

(フランス語)

解説:A=Annick Dumont(フィギュアスケートコーチ) N=Nelson Monfort(スポーツジャーナリスト)

N: 楽しみですねぇ、なぜなら今大会の優勝一番人気のMao Asada の登場です。

A : ウイ、ウイ!!なんという女子競技でしょう!私たちが言ってたように、なんという女子競技でしょう! 彼女は世界チャンピョンです。

N: さて、ここに登場した、すばらしいテーマ、カバレフスキーの仮面舞踏会を滑る若いお嬢さんは、皆様すぐに気が付くと思いますが、世界で一番すばらしいスケーターともを、中にはフギィア歴史上で、偉大なスケーターであるともみなされています。

A : ウィ!

N: ですので、これからの4分間彼女に期待しましょう!我々は、このテーマ音楽はすばらしいと思います。

A : 彼女はきっと偉業を試みるでしょう。なぜなら、彼女はトリプルアクセルを成功させます。男性のカテゴリーにとって大きな難技の一つです。
たぶんここです!(真央姫の最初のジャンプ)オー(感嘆文)ウィ!
彼女は着地時に軽くタッチしました。タッチとは、ジャンプのとき、氷に触れてはいけない自由な足が着地時に氷に触れることです。たぶんスローで見ることが出来るでしょう。

N: 触れても何でも、このはじめのトリプルアクセルを浅田選手と深く感動できますように!!!!この大会は今頂点に達そうとしています。夜ではありますが、好意を持って私たちと一緒にご覧の皆様、私は、皆様がご覧になっていることを後悔しないと思います。

A : アー残念!ダブルだわ...

N: ォー!3回転、2回転、最後2回転の組み合わせです。
この音楽テーマは明らかに並はすれています。なぜなら、これはと皆様が確認されて折られるように、どまることがなく加速します。一般にジャッジはそれが大好きです。
オーラ ラ!(フランスの感嘆句)その代わりに、転倒です!

A : こんなことがあるでしょうか、初心者のするようなエラーです!

N: 何が起きたのですか、何が起きたのですか??????

A : 単純に彼女はジャンプしなかったのです。(かなりびっくりした様子。) 彼女は飛びませんでした、その上、3回転のジャンプとなるべきジャンプを1回転して転倒しました。なんという驚きでしょう この様なえエラーは! 再び彼女は3回転、しかしながら後が1回転...

N: これはいろいろとを変わります。

A : オー ウィ...これはいろいろ変わります...
真央姫のステップが始まる。

N: 続けます...芸術表現が...

A : すばらしいいいいいいい!とてもすばらしい動きまるで、まるで彼女が彼女の腕で音楽を奏でているようです。 この音楽、この音と調和の取れた振り付け...
オララ(フランスの感嘆句)これはすばらしいスピン、足の変換、これはすばらしいスピンの組み合わせ!!

N: 日本代表浅田選手演技を終わり、我々はこの振り付けを好みたい...さて誰が勝つか、誰が勝つか、、、
これはすばらしいテーマだと思うだけどAnnick 、でも、所処の不完全が苦しいところだね。
たとえすばらしい芸術表現でも、浅田選手がこの演技でアメリカ代表のキャロリンとの差を保つことが出来るのだろうか?差はどれくらいだったっつけ、何点差をつけているのだっけ? 5、6点だと思ったけれど...

A : そうそう、だけど、浅田選手は優勝を狙っているわ。これから登場するカナダ代表とほとんど同点。なんてという大会でしょう。
それにしても彼女かサルコをミス、1回転でその後に転倒なんてなんて驚きでしょう!(真央姫のトリプル アクセルのスロー画像が流れる)これが出来るのに!!!3回転半!
ほら、ご覧になった?着地のときの軽い左足の触れを!タッチと呼ぶんだけれど、ジャンプは認められるけれど何点かマイナスされるわ。
すばらしいいいいいいいィ!!!!!!!!!

N: 2人に間に数点の差があるとローランがいってる。僕は芸術表現は浅田選手。

A : 私もそう思うわ。

N: 芸術表現では浅田選手はキャロリンとの差をキープする可能性があるけれど、何しろ、2つの大きなミスがある。

A : そうそう。2つの大きなミスと、転倒が1ポイントマイナスされる。
なんて我々は彼女に成功してもらいたいことか!本当に美しい...なんて彼女は美しいんでしょう...彼女は類をみない...パーフェクト!パーフェクト!類をみない...

見て、見て!彼女ジャンプしないわ!ジャンプしないと、彼女は押さないわ!何が起きたか解らないわ、その上、アー、アー、終いに彼女は又ジャンプのミスで1ポイントマイナスされる...それはとても、とてもつまらないことだわ!
これはよくあるシーズンの初めの小さなミスだわ。あら、又小さなタッチ、これ見なかったわ。又タッチ着地だわ、沢山の小さなマイナスがあるわ。なぜなら、ジャッジはそれを見ているわ。
一続きの、いや、プログラムの最後の1分間、ステップと最後のスピンの組み合わせ、この最後のスピンの位置...本当にまったく並はずれにすばらしい!!!!彼女のストレートステップも並はずれにすばらしいわ。

N: このあの時代にソビエト音楽といわれたカバレフスキーの音楽について一言わなければいけない。アルメニア出身で同じくスターリンの迫害でかなり苦しんだ。でも、それは、傑作を書くことを妨げることにはならなかっつた。その中でも、剣の舞 と特に皆様がここで聞かれたワルツ仮面舞踏会、それは、ここに伝説的なコーチに付き添え添われた、若い浅田選手によって、芸術的に言って卓越された演技が演じられました。
そして、皆様、コーチの助手の方が後ろの、一歩引いた彼女の位置にいることをご覧になられていると思います。それは偉大なタラソワコーチ影を作らないためで、彼女は何て言ったら良いのかなぁ、いろいろな意味でフギャスケート界の沢山の場所を取ります。なぜなら、タチアナコーチの獲得した金メダルの数はただ信じられないほどだからです。

A :  うィ!彼女はコーチの手腕により巨大で、中でもプラトフのコーチ、ヤクディンのコーチ...

フランス語解説の和訳はフランス在住のマカロン様にご協力していただきました。有り難うございました!

(カナダ英語)

(カナダ英語)

実況、解説: Kurt Browning, Brenda Irving

カート:…去年、彼女(キャロライン・ジャン選手)は一つのプログラム中、2つ3つジャンプをダウングレードされてましたからね。良くやったと思います。

ブリンダ:浅田真央選手は現在の世界選手権、四大陸選手権のチャンピオンです。そしてカートが先に触れたように、昨年のオフシーズンに、彼女は3年近いラファエル・アルトゥニアンさんとの師弟関係を解消し、伝説的なコーチ、タチアナ・タラソワさんが彼女の新しいコーチになりました。彼女は現在18歳、モスクワと東京を往復する生活を送っています。ショートプログラムを終え、ジョアニー・ロシェット選手に続き、現在2位に着けています。

カート:もし浅田真央選手のスケートを見る機会があるのなら、特に氷上で彼女と一緒に滑る機会があれば、彼女がある場所から他の場所へ、軽々と移動することが出来ることに、まず初めにお気づきになられるでしょう。トリプルアクセルです。彼女はこの大会に出場している女子選手の中で、唯一トリプルアクセルに挑戦する選手です。2フットでしたが、ゴージャスでした!空中姿勢が真っ直ぐに伸び、エキサイティングです。女子選手の大きな3回転ジャンプを見れると言うことは、本当に素晴らしいですね。

ブリンダ:この大会は彼女にとって、今シーズンのグランプリシリーズの初戦です。彼女はショートプログラムの出来には満足しておらず、精神的にもっと強くあるべきだったと言っていました。

カート:トリプルループです。Oops。私たちがクラシック・ポップと呼んでいるミスですね。スケーターが空中に飛び上がった際、おそらく彼女は円の外側にいると、すこし左肩側に傾いていると思ったのではないでしょうか。そして何かがおかしいと思い、2回転になってしまったのでしょう。
ショートプログラムを終えて、ジョアニー選手と真央選手の間にはそれほど得点差がない事を、彼女は覚えているでしょうか。
(笑)トリプルフリップを3連続コンビネーションジャンプの最初に飛びました。滞空時間が長く、全く素晴らしいですね。加点されるでしょうね。

カート:これは残念です。
トリプルサルコウの予定でした。彼女はここ数年間、試合でトリプルサルコウを飛んだ事が無く、再度プログラムの中に取り入れようとしています。
比較的簡単なトリプルサルコウ(*1)は、大半の選手が飛ぶ事の出来るジャンプです。実は、ロシェット選手が世界で一番良いサルコウジャンプを飛ぶ選手だと、私は思っています。
失敗を引きずりましたね。トリプルフリップの後のジャンプが、2フットのシングルループになってしまいました。
浅田真央選手は、少し楽しめていないようですね。

ブリンダ:彼女にとって、この試合がグランプリシリーズの初戦ですし… おそらく欠点を見つけ出している最中なのでしょう。
彼女は今大会、2位より下の順位には着けたくないはずです。グランプリファイナルで他の選手を見たいでしょうからね。彼女は2005年のグランプリファイナルで優勝しましたが、その後、2年連続して2位に終わっています。

カート:これは素晴らしいバランスコントロールでしたね。本当に、本当に良いフットワークだと思います。
彼女は準備することなくツイズルに入る事が出来るんですね。

カート:これは素晴らしいプログラムです。浅田真央選手にとって良い表現手段になるでしょう。
プログラムの終盤の力強さは特筆すべきですね。幾つかミスはありましたが。新しいロシア式の練習によるものなのでしょうか。(笑)
うん、まあ。浅田真央選手はシーズン初めという事もあって、意外な事ですが、少し緊張していたようですね。私たち同様、観客もとても静かな反応ですね。彼女は以前、今回よりも良い演技を見せていましたからね。

ブリンダ:ジョアニー・ロシェット選手にとって、以前は彼女に追いつくことは難しいことでした。

カート:トリプルアクセル! ご覧ください。空中で真っ直ぐに伸び、姿勢が締まっています。トラブルを避けるために回転を止めようと、彼女は左足のトウピックで右足の前方を突いてしまいました。
この滞空時間の長さを、ジャンプの高さをご覧ください。ナイスでクリーンですね。そして最後のジャンプのアームポジション。
ここでサルコウジャンプです。なんてことだ。彼女は傾き、右肩を落としてしまっています。私たちがショーで演技する際、観客の前でジャンプを必死に決めようとします。時々失敗することもあり、そう言う時には私たちは「台無しにしてしまった。飛びたいと強く思うあまりに、タイミングを急ぎすぎてしまった」と言うんですね。

ブリンダ:彼女の得点は109点を僅かに超えました。昨年の132点に比べて遥かに低い得点です。

カート:そうですね。とても低い得点です。
私は、彼女がこれから、この新しいコーチのシステムにどう対応していくのか興味がありますね。おそらく複雑なのではないでしょうか。彼女の後ろには通訳の方がいらっしゃるのですが、タラソワさんが何かロシア語で言い、通訳の方が日本語に訳すわけで、スムーズな流れの会話を持つのは難しいのではないでしょうか。
(意訳、誤訳ご容赦ください)

カナダCBCの和訳は「Figure Skate Database」様より転載しました。(「Figure Skate Database」管理者様の承諾を得て掲載しています。)ステキな和訳、ありがとうございました![転載元]

(ロシア語)

(解説なし)