動画のインタビューの翻訳(要約)です。
Q: ご自身、スケーターとしてデヴィッド・ウィルソンによる振り付けのプログラムを滑り、今度はパトリックのショートプログラムの振り付けをされています。デヴィッド・ウィルソンから受けた影響について教えてください。
J: こう言ってしまうのは、単純化しすぎるかもしれませんが、女性のお洒落について確立しているルールとして、出かける前に、鏡を覗き込み、余計なものを取り除く。それによって、逆に素敵に見える、というものがありますよね。スケートの振り付けも、それと同じで、動きを複雑にしないほうが、効果は強まるのです。デビッドからは、削ぎ落とすことはは着飾ること(”the art of less is more” )の意味を適切に教えてもらったと思っています。
Q: パトリックチャンの芸術面についてどう思いますか。
J: ここ数年のパトリックのスケートを見ていて、とてもパワフルなスケーターだと思ってました。あらゆる動きを自由自在にダイナミックにできますからね。それを見て、もっと違う試みをして欲しいと思ったんです。一般的な法則として、スケーターが成熟するほどに、ある一定の時点で、振り付けにも詰め込むことをやめ、音楽のニュアンスを大事に、滑るように心がけるようになるんです。詰め込みすぎない方が効果が大きいのです。パトリックはエッジ使いの美しさは、他に追随を許さないものです。パトリックはもうその時機なのではないかと思ったんです。
(続く)
“ジェフリー・バトル 振付師 (2013/2/27-英語)” への16件のコメント
振付師として、ジェフリー・バトルさんのコメントが聞けて
とても嬉しいです。
パトリック・チャンや他のスケーターに振付をし、
プログラムを構成する時の思いなどを語ってくれて
いました。動画主様、管理人様、有難うございました。
誰しも思い入れのある各プログラムからベストプロを選ぶのは難しいよね。
その中から「ナコイカッツィ」の裏話を聞かせてくれてありがとう。
追伸:5:28~飛び入りゲスト2名登場
ジョニー・ミッチェルの曲で、一度もジャンプを入れていないプログラム。。。すごく気になります!観たいです!
昔、佐野稔さんが、「この人はねー、滑っているだけでいいの。ジャンプなんてしなくていいいの」とおっしゃっていましたが、ワタシにとっては、そういう人はバトルだけです。
後で時間ができたら、翻訳してみようかな。
それにしても、ハンサムで、理知的だなー。
TA 様、もしお時間がありましたら、
‘ both sides now jeffrey buttle ’で検索すると何件か動画がヒットしますよ。
1/3くらいしか聞き取れなかったので
翻訳(or要約)をお願いします。
sicel様
動画すぐに見つかりました。ありがとうございます。
翻訳、週末(明日、明後日)にやっておきますね。
動画のインタビューの翻訳(要約)です。
Q: ご自身、スケーターとしてデヴィッド・ウィルソンによる振り付けのプログラムを滑り、今度はパトリックのショートプログラムの振り付けをされています。デヴィッド・ウィルソンから受けた影響について教えてください。
J: こう言ってしまうのは、単純化しすぎるかもしれませんが、女性のお洒落について確立しているルールとして、出かける前に、鏡を覗き込み、余計なものを取り除く。それによって、逆に素敵に見える、というものがありますよね。スケートの振り付けも、それと同じで、動きを複雑にしないほうが、効果は強まるのです。デビッドからは、削ぎ落とすことはは着飾ること(”the art of less is more” )の意味を適切に教えてもらったと思っています。
Q: パトリックチャンの芸術面についてどう思いますか。
J: ここ数年のパトリックのスケートを見ていて、とてもパワフルなスケーターだと思ってました。あらゆる動きを自由自在にダイナミックにできますからね。それを見て、もっと違う試みをして欲しいと思ったんです。一般的な法則として、スケーターが成熟するほどに、ある一定の時点で、振り付けにも詰め込むことをやめ、音楽のニュアンスを大事に、滑るように心がけるようになるんです。詰め込みすぎない方が効果が大きいのです。パトリックはエッジ使いの美しさは、他に追随を許さないものです。パトリックはもうその時機なのではないかと思ったんです。
(続く)
J: 正直、新システムになってから、あれもこれもと詰め込まれ、一瞬を凝縮して、その一瞬に注意を向けることがあまりなくなりました。彼なら、一瞬を凝縮するような滑りができると確信し、そこに力を入れたいと思いました。
Q: ショートプログラムのあなたの振り付けを見て感じるのですが、あなた自身をそこに再現しようとしていませんよね。これは褒めているのですが。
J: まさに、それがデビットの素晴らしいところじゃないでしょうか。例えば私が彼の振りつけたプログラムを踊っているのを見ても、「あ、ウィルソンの振り付けだ」とは感じないでしょう。たしかに、音楽への繊細さという、ウィルソンの片鱗がのぞくことはあっても。彼の振り付けは、決してどれも同じに見えることはないですよね。選手ごとに違うのです。
私とパトリックについては、お互い全くタイプの異なるスケーターで、パトリックは私などよりもずっとパワフルなスケーターです。彼は、私が滑っているときよりも2倍の速さでスケートリンクをカバーします。私たちの関係は、補足し合っている関係ではないでしょうか。
「ここで3回クロスするか」「いいえ1回のクロスで十分でしょう」
という具合です。彼のスピード、アイスカバーの大きさのおかげで、随分と振り付師として私のできることも拡がり、余裕も生まれてきます。
Q: ショートプログラムでは、要素をたくさん入れなければならないので、がんじがらめに手をしばられていると感じますか。
J: スケーターによりますね。SPの規定の中でも、オリジナリティを追求していこうとする選手と、挑戦せず、今のシスステムの制約に甘んじている選手がいます。新旧どちらのシステムでも、大切なことは、頭を使って滑るということでしょう。例えばミッシェルクワンのショートプログラムは今やそうしたことのお手本となっています。自分が何をやっているかについて分かって滑っているかどうかでしょうね。
Q: 4回転―3回転を入れるというのは、例えば、トリプルルッツ-トリプルトゥの3-3の組み合わせと比べて、飛ぶ前の準備を長く設定する必要があるのでしょうか。
J: 必ずしもそうではなく、スケーターによると思います。選手によっては、飛ぶ前の助走時間をうんと長くとりたい、という選手もいます。パトリックはそうでなく、ステップを入れてクワドを跳ぼうとますびます。
もちろんジャンプを飛ぶのに負担がかかる振り付けはしたくない。ちゃんと降りられるようにしなければいけません。その一方、振り付け師としては、ちょっとイノベーションを試みようと「最初の試合まで4ヶ月あるから、これがうまくいくか試してみないか」など、提案したりはしますね。このように、ジャンプの前ステップを組み入れ、離氷に繋げています。
Q: このプロは、もとのものと内容が変わりましたか。
骨は残っています。このプロは前回の世界選手権のショーの時のもので、時間も約3分45秒で、たっぷり音楽を取り込むことができました。これをどう試合用のプログラムにするか課題でしたが、オリジナルのプログラムを壊さずSPを作ることができたのです。まさに、パトリックのスケートが素晴らしいということの証左ではないでしょうか。
プログラムに慣れて来ると、早くこなすようになります。プログラムもそれにつれ変容していきます。ショーの後、パトリックと、もうちょっとここでニュアンスを入れたい、音楽性を取り込めるよう工夫をしました。
Q: 少し何かをいじることによって集中力をどのように維持できるようになる、ということを聞いた気がしますが。
J: 車の運転と同じで、同じことをしていると、集中力も途切れます。ですので少しずつ何か新しいことを取り込み、それによって考えすぎることがなくなり、意識もしっかり保つこともできますよね。
Q: ご自分では振り付け師、パフォーマー、どちらのほうが好きですか。
J: 難しい質問ですね。まだ、やっぱり自分はパフォーマーでしょうか。振り付けをしているときも、自分だったらどう滑るかな、とイメージを描き、それを置き換えて行くと相手にも伝えやすくなっていると思います。
Q: ご自分のプログラムでお好きなものはどれですか。
J: えーと、これも難しい質問ですね。あ、おっしゃっているのは「ナコイカッツィ」ですね。
そのシーズンはカナダ代表として世界選手権の出場が叶わず、気落ちしていました。普段より早めに振り付けを始めました。デヴィッドとカリフォルニアに赴き、そこで作りました。とても楽しかったです。一種の浄化作用を起こさせてくれたプログラムでした。クリエイティブな世界に飛び込み、世界選手権の切符をとれなかったことは忘れて、目の前にある新しいプログラムに没頭しました。
そうですね。あとは、今年作ったジョニ・ミッチェルのBoth sides nowという曲を用いたプロなんですけど。
デビッドと数日振り付けをし、残りの30秒というところで、ジャンプが一つも入っていないことに気づき、デビッドが「ねぇ、ジャンプ、入れる?」と聞き、僕も「あなたが決めてください」「流れを壊したくない」「じゃ、このままなしで行きましょう」で決まりました。一個もジャンプを入れないのは、これが初めてでした。ジャンプへことを意識せず、振り付けの流れのまま、身を委ねて滑ることができました。
(終)
***
もっと短くするつもりが、長くなり、連投失礼しました。
意訳、誤訳はご容赦ください。
TA様、訳出お疲れ様でした。
興味尽きぬ内容で、とても助かります(#^.^#)
チャン選手のSP「悲歌」の振り付けを改めてよく見ると、特に冒頭のエモーショナルな箇所は、如何にもバトルって雰囲気が漂っていますね^^
チャン選手の表現者としての出発に相応しい振り付けと思います。
バトルさんに真央選手のSPを振り付けて貰ったらどうかしらと妄想中。
彼なら真央選手と何度も共演しているし、女性の振付師とは感性も違うでしょうから、新しい表現の世界を引き出してくれるかもと。
TA様
バトルは早口なうえ独特の言い回し表現にお手上げでした。
時間をかけて詳細に翻訳をしていただきありがとうございました。
日本のインタビュアーはここまで突っ込んだ質問をしないので、この質疑応答にはとても興味深く感じました。
>Q:ショートプログラムでは、要素をたくさん入れなければならないので、
>がんじがらめに手をしばられていると感じますか。
>J: スケーターによりますね。・・・(略)
今後もスケートと音楽が彼の側にある限り、振付師としてのサクセス・ストーリーは続いていきそうですね。
片割月様
片割月様のお役に立てたなら嬉しいです(´∀`*)
真央ちゃんは、滑り出しの一歩から、スケートの綺麗な選手になりましたよね。太くなった太腿が、佐藤先生のもとで、いい練習ができているんだなあ、と思い起こさせてくれます。
個人的にはタラソワコーチの振り付が一番好きですが、バトルの振り付の競技プロも、彼にとっても新境地となると思うので、観てみたいです。
sciel様
こちらこそありがとうございます(*´∀`*)
バトル、早口で、イントネーションも少し独特なものがありますね。
でも、話している時の表情が豊かで、笑顔にころっとマイってしまいそうです。
ああ、お会いしてみたい、と妄想です。
私は、2013年SOIの Big Loveが印象に残っています。フリードウックマックでフラメンコ調にするとは、本当にアーティストだなあって思います。
ところで、動画の中でのお客さま。
自信ないですが、リッポン?ジョンソン?カーサー君?
誰でしょうか。
TA 様。
最初に登場する男性は英国人アイスダンサーのジョン・カー(John Kerr)で、
二番目はカナダ人シングルスケーターのショーン・ソーヤー(Shawn Sawyer)です。
二人とも2013年のSOIジャパンツアーに参加しましたね
https://www.facebook.com/Rocktheice
インタビューはこのショーの合間に収録されたようです。
あー
全然はずれてしまいました
ちゃんとショーを確認すべきでした。
またよろしくお願いします!
なにこれヤヴァイ・・・カメラ目線のバトルに照れる(*/∀\*)イヤン ヨダレものじゃね
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