浅田真央 ラフマニノフ

今シーズン浅田真央のフリープログラムの使用曲ラフマニノフ「ピアノ協奏曲第2番」を特集した動画です。


●銀盤の影の主役

フィギュアスケートで音楽選びは重要です。シングルとペアの競技には歌詞の入った音楽は使用できません。世界中で知られるクラシック曲は、フィギュアスケートにぴったりなんです。中でも今回の名曲ラフマニノフの「ピアノ協奏曲第2番」は、人気曲の一つ。多くの選手がオリンピックという大舞台に、この曲で挑んできました。それもそのはず!この曲には、銀盤の舞を盛り上げる、ある条件がそろっていたのです。フィギュアスケートの解説も務める八木沼純子さんと人気曲の傾向について解き明かします。

●返り咲いた花

14歳で作曲活動を始めたラフマニノフ。作曲家としての階段を順調にのぼっていたように見えた頃、大きな挫折を経験します。「交響曲第1番」が大失敗し、一時はショックで作曲も手につかない状態にまで陥ります。しかし自然の中で過ごすうちに気力も体力も徐々に回復。そして取り組み始めたのが「ピアノ協奏曲第2番」。しかし再び彼に逆風が・・。思い続けていた初恋の女性が別の男性と結婚すると知り、大きなショックを受けるのです。さらに文豪トルストイに自作曲を披露したものの、作品を否定されてしまいます。作品を生み出す気力を失った彼の心を癒やしたのが、新たな友人たちとの出会いでした。次第に活力を取り戻し1901年「ピアノ協奏曲第2番」は完成したのです。初演は大成功!作曲家として見事な復活を遂げたのです。

 

●ロマンチックが止まらない

曲の随所に散りばめられた「ロマンチックさ」を作曲家の美濃さんが解説します。曲の冒頭に登場する弦楽器には「情熱的に」という指示が楽譜にあります。情熱的な弦楽器の調べとピアノの細かい動きが、ロマンチックさを助長するのです。そしてジェットコースター・ロマンスといえるほど、曲想がめまぐるしく変化するのもポイントの一つ。起承転結といった曲の構成も、フィギュアスケートにぴったり合うのかもしれません。

(NHKラララ♪クラシック公式HP これまでの放送より)