TheSkatingLesson.comのデイヴィッド・リースと元アイスダンス選手で英国Eurosportで解説を務めるマーク・ヘンレッティーが2016年ロシアフィギュアスケート選手権について語った動画です。映像は「TheSkatingLesson.com」のYoutube公式チャンネルで公開されたものです。
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“TSL ロシア選手権2017おさらい (2017/1/4-英語)” への12件のコメント
女子シングルに関する部分(31分頃~)を訳してみましたので、記載させていただきます。聴き取れなかった箇所もあり、割愛・意訳が大目です>< 修正や補足がありましたら、是非よろしくお願いいたします。(D:デイヴ、M:マーク)
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D:メドベデワは好きだが、彼女のSPは好みじゃない。シニア女子世界チャンピオンのフットワークに縄跳びは不要だ。とても未熟に見える。のびやかさで魅せる力を持った選手なのに。つなぎをやたらとたくさん入れていて、ごちゃごちゃしている。それに、氷上に描く円(lobe)が小さいのでは。日本や北米選手の方がよく滑っている。ロシア選手は難しいターンをたくさんやっているけれど、軌道が小さい。
M:ロシアの歴史をさかのぼると、女子でソトニコワ以前に五輪メダルを獲得したのはスルツカヤ(2002・06)とイワノワ(1984)のみ。それが今では、素晴らしい波が来ている。一方男子では、ペトレンコ(1988・92)、ウルマノフ(94)、クーリック(98)、ヤグディン(2002)、プルシェンコ(2002・06・10)と続いてきたのが、今では先細りしている。現在のロシア女子は、コーチングという点において素晴らしい。エテリに脱帽だ。必要な基準をすべて満たして、確実に高得点をあげる手法を生み出した。メドベデワに関して、スケートファンの間では熱い議論が交わされているが、彼女は点を積み上げるために必要なことをやっている。ジャンプ後の流れの中でチェンジエッジをしたり、ジャンプの時に手を上げたり。よく考えられたアプローチだ。若いコーチがこの手法で選手を育成していることを尊敬する。
D:メドベデワのプログラムを観ていると、芸術というより、スポーツとして得点を追求していると感じる。もちろんフィギュアスケートはスポーツである訳だが、優れた振付かと言われると…。
M:芸術性に欠けているのではなく、振付が忙しすぎるために、芸術性を発揮できていないのだと思う。
D:メドベデワは非常に才能のある選手だと思う。スキッドスパイラルはサーシャ・コーエンのように脚を180度上げてほしい。いつも少し下がっていて、ヨガの練習みたいで笑える。ひょっとするとカタリナ・ビット以上の選手かもしれないが、真価を認められていない。獣のような闘争心がある選手で、シーズンを重ねても衰えを見せない。
M:ラディオノワはシェイリーン・ボーンに振付を依頼している。メドベデワが違う振付師のプログラムで滑ったら、どんな演技が生まれるのか、とても興味深い。サンドラ・ベジックの振付で滑るのを観てみたい。
D:ソトニコワは競技から離れている間に大きく改善されたと思う。ソチオリンピックの時の彼女には少しがっかりした。EXで布を持って滑っていたが、つまらなかった。でもその後、面白い選手に成長した。
M:ロシアのアイスショーへの出演を経て、テスト・スケートで復帰した彼女を観て驚き、期待していただけに残念だ。メドベデワもそういう転換ができるかもしれない。
D:ジャッジの評価が流行をつくる。かつて、クワン、コーエン、スルツカヤは一時代を築いた。現在の女子ではロシア流がもてはやされている。この傾向はISUが「良いスケート」とは何かを再定義するまで続くだろう。ペアでデュハメル・ラドフォード組が評価されて現在の流れが生じたように、個人的な好みは別として。メドベデワの性格は好きだ。プログラム後半の3S-3T-3Tには痺れた。エテリに話を戻すと、彼女は18歳以上の女子選手を育てたことがない。メドベデワはあと1・2年したらどうなるだろうか。
M:3Lz-3Tや3Lz-3Loなど、ロシア女子のコンビネーションジャンプは最高難度に達している。3Aを跳ぶ選手が出てくるだろうか、男子の四回転のように。
D:2Aでもフリーレッグを引きずるような、不安定なジャンプを跳んでいる選手が多い。
M:平昌の後は、日本女子が主流になるかもしれない。流行は変遷を続けていくだろう。
D:ロシア女子は10-12歳頃に3-3を習得する。そうしないと戦えないから。だがスケートそのものをきちんと習っていない。ジャンプは決まるが、前後の流れとスピードに欠ける。メドベデワのジャンプも大きくはない。回転は素晴らしいが。高さがないから、成長期になると…。
M:オズモンドやワグナーは全く違う体形だが、結果を出している。ロシア女子にも、成長期を過ぎた後も活躍を続けて、より成熟した演技を見せてほしい。
D:ザキトワはすべてのジャンプを後半に入れている。ジュニア時代のネイサン・チェンもそうだった。良い構成とは言えず、採点システムの欠点だと思う。ルールを上手く活用してはいるが、PCSは(ジャンプを後半に固めたことによる)影響を受けるべきだ。
M:彼女たちを見ていると心配になる。ザキトワの3Lz-3Loは素晴らしいが、息の長い選手になれるだろうか。2022年のオリンピックで成長した姿を見たい。メドベデワなら可能かもしれない。一人でもいいから長く続けてくれれば、(どんなスケーターに成長するか)検証できるのだが。
D:かつてカルロ・ファッシが危惧したように、フィギュアがスケート靴を履いた体操になりつつあるのではないか。ラディオノワは3Loで一度手をついただけだが、ワールドの代表になれなかった。年々下降線をたどっている。ソツコワvsポゴリラヤについてはどう思う?今回ポゴリラヤは膝の怪我のため、各要素で少し点数が引かれていた。だが、今の所ソツコワのプログラムにはこれといって特別なものを感じない。ポゴリラヤはもっと膝を伸ばし、観客に視線を向けるなど改善すべき点はあるが、光るものを持っている。ソツコワにはまだそれがない。
M:ポゴリラヤのように成熟した体形の選手の3-3が見られるのは嬉しい。プログラムはソツコワの方が好きだ。腕の使い方が効率的。ソツコワはジャンプが一つ1Aになっただけだが、演技後に落胆して見えた。たった一つジャンプが抜けただけで動揺するとは、ロシア女子のレベルの高さをうかがわせる。
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以上です。印象に残った瞬間として、マークがザキトワ選手の3Lz-3Lo、デイヴがメドベデワ選手の3S-3T-3Tを挙げていました。
補足ですm(__)m
故カルロ・ファッシ氏の発言は1987年、「もしコンパルソリーが廃止されたら~」という文脈の中で出たようです。昔から女子選手のピークについては議論が繰り返されてきたのだなと、少し驚きました。
結局なるようになっていくのですね
変化を恐れる気持ちはわかるけどね
皐月様、長い翻訳をありがとうございました。
近頃活躍が目覚ましいロシア女子選手の内情をよく理解できる事ができ興味深く読みました。私はメド選手の芸術性は深まっていると思っています。戦闘力があるのですね。オリンピック頑張って欲しいです。他の若い選手たち、本当に末長く活躍して欲しいと思っています。
皐月さま
長文、翻訳して下さりありがとうございます。
興味深く読ませて頂きました。
>平昌の後は日本女子が主流になるかもしれない…。
そうなると嬉しいですね。 😀
ザキトワ選手の演技は、何かすごいものを見たというインパクトは
ありますが、フィギュアスケートの神髄を見たというような
感動は覚えません。
どちらかというと新体操の選手のよう。
>全てのジャンプを後半に入れている…。
これでもかと言うように点数を積み上げることに余念がなく、
度が過ぎると、美しい印象からは遠ざかってゆくように感じます。
皐月さま、ロシアナショナルの和訳をありがとうございます。
いつも感謝、感謝です。
メドべ選手の凄さは分かっておりますが
ソツコワ選手がメドべ選手に勝てないとは思わないとの
インタビュー記事も見ました。
ソツコワ選手、ラファエルコーチの指導も受けていたことが
あるそうで、密かにこれからもっと強くなるのではと
思っています。
ロシアの選手ではないですが、オズモンド選手も
3-3の成功と次は2A-3Tも安定しそうで
全てが高く質のいいジャンプですので
もっと怖い選手になるのではと思っています。
あと、デイブさんのネイサンの話ですが
ジュニア時代にジャンプが全部後半だったとのことですが
ジュニア初期から3A、2Aは前半、後のジャンプは後半でした。
デイブさん、勘違いされてますね。
エテリ門下生とはちょっと違います。
細かいことすみません。
素晴らしい訳に加え根気が必要、ありがとうございます。
当方、別コーナーで日本人選手のインタビューを日本語で
再現だけでもひと苦労、言葉の特別の訓練受けられた
方々のご厚意やも。
ロシアナショナルに限定しても両者(D&M)そうとうの
過去からの情報量。こちらは選手名くらいはかすかに記憶。
私も気になるのは今のロシア女子の20代からの活躍。
選手短命・・強豪ぞろいでは次々交代してもらわねば
出番なしではある。
ソトニコワ選手(ソチ、金)のロシア一連の疑惑で
2位の選手が繰り上がりか・・去年12月頃のネット。
ソースは再現できないが某国が色めき立ってる、
やれやれです。(ガセネタであれば必ずこちらに来て訂正文)
スポーツとナショナリズム、なにやら講座みたいな
言葉ですが選手のためにも全力出し切れる場であって欲しい。
2月の4ccも是非全体の語り、デイヴと適任者に
登場願いたい。運営など私もしっかり見届けたい大会。
翻訳ありがとうございました。
いつも内容が良く分かり、大変助かります!
最初メドベデワ選手は唯、器械体操で技術をこなすだけかと思っていた。が、近頃見る度に、内的情感、思い入れを十分に出せる表現者になったと、その努力に頭が下がる。あのSPは、幼い頃から一人の少女が成長していく過程を描いたもので、素晴らしい!それにFSは恋人を見送るところから始り、最後は彼の死を電話で知る悲劇のストーリー。このような演技ができるプロフェッショナルな女優魂と、彼女の人懐っこい笑顔と性格で私は完全にノックアウト、十分に魅せられた。
16才とまだ若いが、両親の離婚を経験した孤独も経験して精神的に強いアスリート。豊かな未来に育っていって欲しい。
アンナ・ボゴリラヤ選手の妖艶な演技も大好きだ!彼女のモデル体型ばりの、しっかりとした体格故に、体の故障や維持に気を使わなければならないのだと分かる。浅田選手も体型変化の時にはジャンプに狂いが生じ苦労した。ここは是非、技術を極めて克服し更に自由な成長した舞いを魅せて欲しい。
で、突如14才のザキトワ選手がメキメキ頭角を現し、前回技術点でメド選手に勝りショックだった。が、メドベデワ選手とはお互い同じコーチのもとで練習する仲。お互いに競い合い高め合いスケート世界を高めていって欲しい。
拙訳をお読みくださった皆様、ありがとうございます。
咲様、ネイサン選手のジャンプ構成について、補足をありがとうございます。GPF素晴らしかったですし、全米が楽しみですね^^
短いですが、男子(ほぼコリヤダ選手)の部分を訳してみましたので、記載させていただきます。
***
D:コリヤダは強力な選手へと成長しつつある。GPFへの出場は逃したが、インスタグラムで彼の4Lzを見て、試合で決める日も近いと感じた。
M:是非試合で決めてほしい。今回は転倒したが、GOEで+1と+2をつけたジャッジがいた(ため息)。ロシアスケート連盟は明らかに彼を推している。頷ける話だ。FSのPCSはコリヤダが94点台、コフトゥンは88点台だった。僕だったらどう採点するか…。コリヤダは素晴らしい選手だとは思うが。連盟は、ネイサン・チェンや羽生に対抗しうる選手を輩出したいと考えているのだろう。
D:コリヤダの方がコフトゥンより、氷上での存在感があると思う。現時点では、僕はコフトゥンをあまり信頼していない。両者ともPCSは高すぎたと思う。でもナショナル大会で、もとより点数は妥当じゃないから、順位のみに注目した。最終順位は妥当だったと思う。コリヤダが複数のクワドを決められるようになれば、ワールドでは有力選手になるだろう。昨シーズンの成功ではずみをつけて波に乗っているのは尊敬する。
M:試合で4Lzを決めるのを見たい。3Aも大きいし、SPの3Lzを見た感じだと4Aもいけるのではと思わせる。
***
以上です。
皐月さま、またまたありがとうございます!
いつも本当に感謝です。
男子シングルのコリヤダ君の点数にはびっくりでしたが
転倒の4Lzに+のGOE… 気がつきませんでした。
PCSも…
たぶん、点数から最低15は引いて…
コリヤダ君は面白い選手で大好きです。
コフトン君も実力ある選手ですので頑張って欲しいです。
まだまだ、ユーロが終わらないと代表は決まらないですね。
ネイサンの話ですがリッポンさん、ジェイソン君は
凄い選手ですから全米は大変な闘いになりそうです。
まだ、ズエワさんの所にいるみたいですが
ほとんどズエワさんの所にいるという話は本当だったのですね。
1番・皐月様。素晴らしいコメントに感激…当ブログ内<佐藤有香 ジャパン・オープン1997>動画欄の10番にて。紹介させていただきました。
不適切等あれば・そちらまでご連絡・下されば幸いです。
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