カナダ・バンクーバー開催のジュニア&シニアグランプリファイナルで行われた、エテリ・トゥトベリーゼコーチ(五輪金メダリスト・GPF2位 アリーナ・ザキトワ、JGPF優勝アリョーナ・コストルナヤ、JGPF2位アレクサンドラ・トゥルソワらを指導)のインタビュー動画です。インタビューワーはISU Junior Grand Prixが提供するYoutubeライブストリーミングで解説を務めるのテッド・バートン氏です。映像はISU Junior Grand PrixのYouTube公式チャンネルで配信されたものです。
“エテリ・トゥトベリーゼ バンクーバーでインタビュー (2018/12/18-英語)” への12件のコメント
エテリのインタビュー!
テッドおじさんナイス!
エテリって鉄の女とか冷たいイメージですけど割と感情豊かなホットな人なんですよね。
私は彼女のドキュメンタリー見てイメージ変わりました。
厳しい父親に育てられ5人兄弟の末っ子、突然18歳で単身アメリカに渡り住む所や食べ物にも苦労しながらコーチの仕事に辿り着き、テロにあったり、結婚しないまま子供を産んでその子が医療ミスで耳が不自由になり、などなかなかドラマティックな人生をおくってらっしゃいます。
そのお嬢さんとお母様を凄く愛してらして心のこもったお土産を選んだり、お母様のお部屋をお花で埋めたりしてるのが印象的でした。オリンピックの時お母様が亡くなったんですね。
反抗期の娘の前でオロオロする姿は普通の母で、自分のせいで耳が不自由なったと責任感じて泣いたりしてる。
メドベの「ものすごくうるさくて、ありえないほど近い」が彼女の体験をテーマに選ばれたものだというのもこの時知りました。
選手に対しても、練習は厳しいが愛情を持って接しているというのがこのインタビューでわかります。
怪我に気をつけてクワドの練習も制限してるとのことで良かったです。
スパイシーフードとお刺身とロマンティックな映画とボイタノが好きなエテリ様、才能溢れるロシアの選手達をこれからもよろしくお願い致します。
インタビューの様子を訳してみました。長いので、質問は出来るだけ短くしました。省略・意訳ありです。テッド・バートン氏は最初にトゥトベリーゼコーチをはじめとするチームスタッフ、選手たちを称賛していますが、そこは訳出していません。ご参考までに…。誤訳の訂正・補足などお気づきの点を指摘していただけると助かります。
*****
T:テッド・バートン、E:エテリ・トゥトベリーゼ
T: ジュニア女子が4回転を跳べると考えたきっかけは?
E: 練習を見ていて、でしょうか。特にジュニア女子はジャンプが巧く、ジュニア男子より力強いジャンプを跳びます。それならシニアになった男子に4回転を教え続けるより、ジュニア女子に教え始めてはどうかと考えたわけです。今までと同じことを続けていていいのか?と。ここの女子は男子より優れているので。
T: 見たところ4回転での怪我はないようですが、指導が秀逸なのですね。
E: いえいえ…。あります。今も4回転を跳ぶ度にヒヤヒヤしますし、怪我をしないよう気をつけています。試合中も全てのジャンプに注意しています。残念ですが、怪我する事はありますので。
T: ジャンプの本数を限っていますか?
E: はい。それと、脚が疲れて来ると無理をさせず止めさせます。選手はまだ練習を続けたいとゴネることもありますが。
T: その子に合ったスタイルや曲を選んでいますが、その過程について。
E: コーチングで好きな部分は、そこです。各選手の容姿、感性、音楽性、所作などをよく観察し、プロを作ります。絵を描くように、本を書くように、物語を語るように。例えば、美術館で見ていた絵画からジュリエットが抜け出し動き始め、また元の絵に戻ったらどんな感じだろうか(コストルナヤの『ロミオとジュリエット』の動画)。そういった作品を作ろうとしています。音楽が色んな思いを引きだす事がありますが、観客に感じて欲しいのはそれです。自分の人生から物語を引き出しプロとの繋がりを感じて欲しいです。
T: プロの作成は一人で?それともチームで?
E: 私とダニイル(グレイヘンガウス)が共同で作ります。私が選曲し、彼がストーリーを作る。その逆もあります。
T: それぞれ個性の違う選手に合った選曲をしなくてはいけませんね。
E: そう努力しています。
T: 選手によって選ぶ曲のタイプは違いますか?
E: 私たちは曲やプロ、ストーリーについてよく話します。星から天使が地球に落ちてきて、人間の暮らしを経験しそして帰って行く。アリョーナ・コストルナヤのプロですが、私には彼女が天使に見えます(コストルナヤのSP『LEFT:OVERS/残された世界)の動画)。アリョーナにプロの内容をよく知ってもらいたいのです。
T: ジュニア選手が大人へ成長していく過程で何か計画や考えはありますか?難しいでしょうが。
E: 難しいですね。明日の事は分からないので一歩ずつ、一日ごとにやれることをやっています。後悔しないよう。今日、やり残したことが無いように。
T: 素晴らしいコーチであると同時に、選手たちにとって母親でもありますね。
E: そうなりますね(微笑)。長時間、一緒にいますから。午前10時に滑りに来て帰るのは午後10時。帰宅して眠って起きたら、また一緒ですので…。
T: 人生のガイド役でもありますね。
E: 努力しています。
T: 娘さん(ダイアナ・デイビス)もジュニアグランプリに出場していましたね。お嬢さんの試合をご覧になった感想を。
E: 見ていません(笑)。昨季は見ましたが、ドキドキして。翌日は五輪のFSが控えているというのに娘の試合を生で観てものすごく緊張しまい、明日の事を考えなくちゃ、と自分に言い聞かせました。コンビネーションジャンプが終わるとホッとしました。
T: お嬢さんの試合と教え子の試合を観るのとでは、どう違いますか?
E: 同じだと思います。ミスや改善すべき点を見つけたり、こう変えた方がいいと思ったり。家で演技のことを娘にあれこれ言うと口論になります。娘は「やめて、ママはママ。コーチじゃない」って(微笑)。「でもコーチよ」と私が言うと、「私のコーチじゃないから。」
T: 教え子の親にどんな協力を求めていますか?
E: 家庭と同じことです。異論があっても子供の前では態度に出さない。反対意見は後で聞き、子供の前では話を合わせる。フィギュアスケートも同じで、子供の前でコーチに反論しないで欲しい。なぜなら、子供に対立する意見を押し付けてしまうことになるからです。そうなると、子供は必ず楽な方を取ります。当然です。私だってそうしますから。
T: 3人でチームを運営されていますが、どのようにまとめていますか?
E: デュダコフはプロにタッチしていないので、選曲もしません。それ以外の仕事は分けていません。リンクでは同じ仕事をします。
T: 今季はジュニアグランプリに顔を出さず、ホームリンクで指導していましたね。
E: アリョーナたち選手の指導をしていました。
T: 他にも秘蔵っ子がいるのでは?
E: そうだといいですね。
T: 現役時代のお気に入りコーチは?尊敬し、お手本にしているコーチはいますか?
E: 色んな時期に色んなコーチに付きましたから…。名選手を何人育てただろう、いつかああなりたいと羨ましく思うコーチはいます。
T: 「いつか」はもう来ていますよ。これからも多くの名選手を育成されるでしょう。子供の頃のお気に入り選手は?
E: ボイタノがとても好きです。何もかも揃っていたので。ハンサムで流れのある良い滑り。ジャンプは大きいし。エキシビションを観に行ったのを覚えています。素晴らしかった。
T: コーチの仕事で好きな部分は?
E: 結果を出す事ですね。
T: 負けず嫌いですね?
E: はい。
T: 愚問でした(笑)好きな食べ物は?
E: スパイシーな食べ物です。メキシコ料理とか。刺身も好きです。
T: 好きな映画は?
E: ロマンチックで泣けるものがいいですね。考えさせられる。
T: 感情的なタイプ?
E: はい、そうです。
T: 内面はそうなんですね。表に出ますか?
E: 時々、出ます。
T: でも内面では常に色々感じているわけですね。
E: そのうち分かりますよ。
T: スケート以外に好きなことは?
E: 花や木を植える事です。こちらも結果が出ますから。育つと美しい。丹精込めて育てなければいけない。
T: 素晴らしい。名コーチのはずですね。女子選手の成長を助けている。
E: 種を撒いても成長するかどうか分からない。やがて芽が出て…。コーチの仕事に似ていますね。
T: これまでコーチとして最高の瞬間は?
E: 五輪と答えるべきですよね。
T: いえ、思ったまま答えてください。
E: んー、最高の瞬間はまだですね…。実は、五輪は個人的に辛い時期だったので。なぜなら(声を詰まらせ)……母が瀕死の状態だったので。でも近くにいてあげられなかった。なので人生最高の時とは言えません。
T: 喜べない大変な時期だったんですね。辛かったでしょう。でも、これから幾度も喜べる機会がありますよ。これまでの素晴らしい仕事ぶりに感謝します。今も偉大なコーチですが、これからも多くの成功を重ねることでしょう。
E: そうなるといいですが。
T: きっとそうなりますよ。
E: これからも頑張ります。選手たちが健康であるよう願っています。
T: お時間を取っていただき、ありがとうございます。正直言って、ちょっと怖い方だと思っていました(笑)。
E: 私も自分が怖い時があります(笑)。
T: いえ。でも内に色んな想いや情熱を秘めた方だと分かり、嬉しいです。人々のため、教え子のため、フィギュアスケートのために尽力されています。応援していますよ。エテリという人間をより知る事ができ、いいインタビューになりました。ありがとうございます。
E: ありがとうございます。
*****
以上です。
FSF様
翻訳ありがとうございます。。
エテリさんの事、この間TBSのテレビで 厳しくコーチしているところを
見て、たしかに鬼コーチじゃ、、なんて単純に思ってましたけど、、
いろいろあるのですね。それにまさか五輪中にママが亡くなってたなんて。
インタ中、声をつまらせてて。。
ちょっと見る目が変わりました。それに英語も流暢ですね!
美人でかっこいいです。
FSF様
いつも訳をありがとうございます。
ただただ感謝です。。
その事だけお伝えしたくてコメントさせていただきます。
FSFさん、長いやつを有難う御座います。
コーチとしては皆同じような感覚を持っているんだろうけど今ロシア女子は破竹の勢いだからなぁ。
後半の個人的な部分は興味深いですね。
F S F様、いつもありがとうございます、感謝です。
テッドさんもナイスインタビューですね
いちじくさん、FSFさん、ありがとうございます。
テッドさんの人柄もまた良く分かる丁寧で心温まるインタビューで良いですね
ところでエテリさんのお母さんが亡くなられたのはどうも先月の11月8日頃の様です。
https://vk.com/figureskating_love?w=wall-64888695_667988
↑こちらに貼られているこちらの↓
http://sport.business-gazeta.ru/article/231843
ロシア語でインタビューをおこしている記事を自動翻訳機さんに頼んで訳して貰ったところ、下の方の平昌の時の写真の下辺りでカッコ書きされたところが11月8日に亡くなったと出て来ました。
娘さんのダイアナ・デイビスちゃんの方も。
11月9日付で(日本時間?)「今日亡くなった」とか、「9か月と9日戦った?」(平昌の頃に体調を崩されたのでしょうか?)だとか翻訳してくれるんです。
https://vk.com/figureskating_love?w=wall-64888695_612079
エテリさんのインスタには11月10日付で写真とコメントが載ってました。
何れにしても多忙な中、ご自身の事でも大変だったんですよね、エテリさん。
娘さんはJGPは恐らくチェコの大会にアイスダンスで出場して3位。流石!
まだシングルの時で2015年の動画がありましたが、
演技後、エテリさんが娘さんをギュ~と抱きしめます♡
https://www.youtube.com/watch?v=5ufcCe-5Oyw
・・・と、そんなことを読みながらショックな記事を目にしてしまいました。
ヴォロノフが左膝蓋骨の靭帯?を痛めてロシア選手権を欠場だとか、うっそーー!
ただユーロ出場に関しては選出の対象にはなるとか? しかし靭帯の怪我は厳しいですよね・・・。早く良くなりますように。
https://vk.com/figureskating_love?w=wall-64888695_669707
https://vk.com/figureskating_love?w=wall-64888695_668947
https://twitter.com/goldenskate/status/1075347092489547777
あら?メドちゃんはショートをトスカに変えたのですね?
楽しみですね。
どこまでも話が逸れそうですのでこの辺で。
翻訳ありがとうございます
いちじくさんと同じく、五輪前にエテリのドキュメンタリーを見ました
アメリカで食べるためにアイスショーに出ていた時代、ロシアに戻りリンクの片隅で教えていた貧乏な時代など決して恵まれなかった過去を知りましたが、今回はとても素敵な内容でした
コストルナヤちゃんの天使の発想やワリエワのショートはエテリによるものですが、それをみる限り、この人見た目はゴツイけど(笑)意外とロマンチックなんだな~と思っていました
要は美しいものが好きなんでしょうね、この子がどうすれば美しく見えるかという美意識も非常に高いですよね
あとエテリの生徒ってインタビュー聞くと目的意識が非常に強く堅実、常に周囲に感謝の言葉を発しているんですよ
つまり、いかに優れた養成をしているかがわかります
そっか~
花や木を育てることは選手の育成と同じか~
育つと美しいけど、そもそも成長するかわからない
って、う~ん奥深い、
ってか悟っているなあ
低迷していたロシア女子を強くしただけではなく、クワドや繋ぎの多さなど先見の目を持ち新時代を開拓した功績は素晴らしいです
これからも美しく強い選手を発掘し育てて下さい!
ながいさん
色々な記事紹介ありがとうございます。
ロシア語読めるようになりたい…
本当だ〜亡くなられたのは11月だったんですね。泣いててお写真出てたから早とちりしました…オリンピックの頃から状態悪くて、そばにいれずに辛かったんですね。
それにしても、ヴォロ兄怪我…ショック。
いちじくさん
私はせめて英語だけでも自力で理解できるようになりたい….
えいごであそぼwith 0rtonをみてもオープニングのテーマソングから付いて行けないし….
ところでドキュメンタリーの要約を書いてくださってありがとうございました。
1974年生まれのエテリさんがアメリカに渡ったのが18歳というとソ連が崩壊した翌年の1992年ですよね。どんな気持ちでアメリカに渡ったのかなー。ボイタノがカルガリーで優勝したのが1988年ですよね、あれをエテリさんもテレビで観てたのかなー。もう興味津々で想像が止まりません。
ヴォロノフねぇ、本当にまさかですよねぇ。。。ざんねんです。
亡くなったのはオリンピック中では なかったのですね・・・。
なんか ダイイング、と言っていたような気がしましたが、危なかったって意味だったのかな。。。どちらにせよ 大変なことです。
表情にあまり変化がないので強面のイメージがあったのですが、このインタビューでとても熱い方なのだと知りました。
彼女はロシア人ですが、母語でない言葉で言いたいことを伝えられるって素晴らしいことです。そういえば、エテリ組の女子たちもプレカンでのインタビューを英語で答えているのをみますしね。サイボーグを作るように次々にトップ選手を輩出しているように思われがちですが、スケート以外の教育もしっかりされているのでは。コーチとして選手それぞれに深いものを持っているとも感じました。気持ちが深いからこそメドベデワ選手とも愛憎があったのではと察します。きっとどちらがが悪いというのではないと私は思ってますが。彼女の新しいSP楽しみですね。
あらためて、FSF様にお礼を申し上げたいです。
精度の高い翻訳もですが、分かりやすい日本語の文章に深く感銘を受けています。
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