TheSkatingLesson.comのデイヴィッド・リースとオペラ歌手のジョナサン・ベイヤーが世界ジュニアフィギュアスケート選手権2019と冬季ユニバーシアード2019について語った動画です。映像は「TheSkatingLesson.com」のYoutube公式チャンネルで公開されたものです。
ロシア・クラスノヤルスク(Krasnoyarsk) 開催、第29回ユニバーシアード冬季競技大会(2019年)の出場選手、日程・結果、動画リンク。女子シングルは三原舞依が優勝、竹野比奈6位。男子シングルはマッテオ・リッツォ(イタリア)が優勝、友野一希6位、佐藤洸彬7位、中村優8位。
クロアチア・ ザグレブ(Zagreb) のドムスポルトヴァ、2019年世界ジュニアフィギュアスケート選手権の出場選手、日程・結果、動画リンク。女子シングルはアレクサンドラ・トゥルソワ(ロシア)が2連覇、白岩優奈5位、横井ゆは菜9位、川畑和愛12位。男子シングルは樋渡知樹[トモキ・ヒワタシ](米国)が優勝、島田高志郎9位、壷井達也14位。
(世界Jr.女子:冒頭から、浅田真央の『鐘』:24分35秒辺り~、三原舞依:37分35秒辺り~、 世界Jr.アイスダンス⇒ペア⇒男子:48分辺り~、ユニバーシアード男子:1時間42分辺り~)
“TSL 世界ジュニア選手権2019&冬季ユニバーシアード2019のおさらい (2019/3/10-英語)” への14件のコメント
世界ジュニアとユニバーシアードの女子の部分をまとめてみました。意訳・省略ありです。ご参考までに…。誤訳の訂正、補足などお気づきの点をご指摘くださると助かります。
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世界ジュニア 女子
アリョーナ・コストルナヤの棄権について
負傷により棄権。当初は腓骨骨折と聞いたが、ダニーG(グレイヘンガウス振付師)の書き込みによると脚に炎症を起こし4週間の休養が必要とのこと。この書き込みは、どうも嘘っぽい。体操選手の例が示すように炎症だけなら試合に出られるはず。おそらく最初の情報が正しいのだろう。エテリ陣営は過度なトレーニングによる負傷が問題になっている。批判をかわすため怪我を実際より軽く伝えているのでは。どのスポーツにも言えるがフィギュアスケートに負傷はつきものだ。ましてやロシア選手は試合数が多い。休養が必要だ。怪我の具合が気になる。早期回復と復帰を願っている。
トゥルソワとシェルバコワは、高難度技は凄いが内容にさほど違いが無くほぼ同じように見える。二人が競うだけでは物足りない。コストルナヤが入るとまた違った闘いになり、おもしろい。やはりコストルナヤの演技も観たかった。
アレキサンドラ・トゥルソワ vs アンナ・シェルバコワ
トゥルソワに比べ、シェルバコワは音楽をよく聴いている。音楽に動きを合わせようとしているところは評価するが、演技は4回転を入れる前の方が良かった。今は二人とも高難度技に苦労している。4回転は決まれば大興奮だが、うまく行かなければ魅力が失われる。
二人のスケーティング技術について指摘しておきたい点がある。二人とも身長が伸びるにつれエッジのコントロールに体全体を使うようになり、ザギトワやメドベデワの轍を踏んでいる。シニアになるとどうなるか心配だ。スケーティング技術を磨かず筋力に頼っているとジャンプが跳べなくなる。ジャンプに入る際に必要な力強い流れが生まれないからだ。特にシェルバコワは身体をひねり力づくで跳ぼうとしている。
トゥルソワの場合は少し違う。体操選手のように非常に強い筋肉を持ち、空中姿勢も良い。4回転の着氷の衝撃に繰り返し耐えられるのは極めて強い筋力のおかげだろう。シェルバコワは既に足を一度骨折している。
シェルバコワは過去4Lzを2本入れていたが、今大会は1本しか跳ばなかった。ルッツ以外の4回転も練習しているが、FSに入れていないため構成でトゥルソワに対抗できていない。
シェルバコワの方にPCSをもっと高くつけるべきではないかと多くのコメントが寄せられた。二人とも抜群のアイスカバー率とスピードでPCSを稼ぐ作戦だ。曲やパッケージングは違っても、基本的に手法は同じ。シェルバコワの方がトゥルソワより音楽的ニュアンスを伝えられていると思うが、トゥルソワはスピードが評価されているのだろう。SSとTRはほぼ同じだが、アシュリー・ワグナーが得意とするPE、CO、INはシェルバコワの方が高いと思う。
だが、それでも点が足りない。トゥルソワはシェルバコワより4回転を2本余分に入れているためPCSでは点差は埋まらない。SSは、ほぼ差がないが、僅かにシェルバコワの方が上だと思う。トゥルソワは滑走時、膝が曲がらない。対してシェルバコワは膝がうまく使え、氷の乗りも良かった。ただし、膝は硬くてもリンクを横切りジャンプに入るトゥルソワには爆発的なスピード感があった。着氷姿勢は二人とも前のめりになっていた。
シェルバコワはレイバックがトラベリングで減点となった。当然、GOEもマイナス。凡ミスがいくつかあり何点か失った。現時点では4回転ジャンプを増やし競争力を上げる必要がある。演技自体はトゥルソワよりシェルバコワやコストルナヤの方に惹かれる。シェルバコワはもっと演技がまとめられたら良かった。二人とも高く評価するが、高難度技を入れることに重点が置かれ純粋なスケーティングという感じではなくなっている。
3人の来季と五輪について
トゥルソワ、シェルバコワ、コストルナヤがシニアに上がる来季が楽しみだ。この夏、3人とも3Aの練習をするらしい。オフアイスの練習の様子をビデオに上げていたが、トゥルソワの空中姿勢は素晴らしく、順調のようだ。来季、3人は自分たちより背が高くスピードもある選手たちと対峙することになる。ジャッジによってPCSにバラつきが出るだろう。五輪を前にした頃のザギトワは3人より背が高く、シニアへ上がる準備ができていたように思う。この3人は夏の間に背が伸びる。来季はどんな闘いになるだろう。
トゥルソワの4回転ジャンプは回転がギリギリに見える。今大会は4Lzが回転不足だったが、来季は4回転を維持できるだろうか。強靭な肉体の持ち主なので調整は出来ると思うが。シニアに上がり3人がどうなるのか、陣営側の力が試される。それぞれ違った戦略を取ることになるのか楽しみだ。
3人は、メドベデワやザギトワの時より早々に活躍し始めている。その分、問題が出て来るのも早いかもしれない。五輪出場はこの3人とは限らない。後輩に取って代わられる事態も十分あり得る。来季JGPSに出場する選手の中から五輪出場者が出ると思う。ピカソガール(カミラ・ワリエワ)も五輪出場の可能性ありだ。トゥクタミシェワがそうだったように、タイミングが合わなければ五輪出場は叶わない。3人は生まれるのが1年早かったかもしれない。さて、どうなるだろう。
ティン・クイ
FSでひとつ転倒があったが、大きなミスなくプロを二つ揃えられた。片方は成功、もう片方は大失敗となるのがティンのパターンだ。今大会、FSは、まあ成功だと思う。東海岸出身で、父親がトレーニングに大きく関わっている。試合で失敗した方のプロを父親が次の試合に向け繰り返し練習させるらしい。世界ジュニア直前はSPを重点的に練習したことだろう。FSはなかなか良かった。ミスも四大陸ほど悲惨なものではなかった。1~2位はロシアが来ると予想していたが、ティンの順位は予想がつかなかった。美しい演技だった。
『ジゼル』を演じ急ぐ傾向があるが、今回はジゼル狂乱場面のパワフルな曲に対し、意識してゆっくり体を動かしているように感じた。そうするのは難しい。腕の動きが美しい。スケーティング技術の才能があり、見栄えがするので苦労せずにPCSが手に入る。ロシア女子と違い、姿勢が良い。ティンは四大陸でも全米でも広くリンクを使えていた。トゥルソワとシェルバコワがティンほど広くリンクをカバーしていたかは分からない。
もう少し深く膝を曲げた方がいい。カロリーナ・コストナー同様、背が高い方だが、しっかり練習を積めばコストナーレベルのスケーティング技術が手に入るだろう。ローリー(ニコル振付師)とトレーニングすれば、今はまだそれほど出ていないPCSがコストナー並みに上がるだろう。集中的にスケーティング技術を身につけられる時間枠は非常に限られている。ティンの場合、今がその時だ。膝を深く曲げてエッジの練習をしよう。今やらなければ時期を逃してしまう。
ティンの父親はコーチをトムZ(ザカライセック)からラフ(アルトゥニアン)に変えようとしているらしい。ラフ達は新しいリンクに引っ越したばかりだが、ティンをそこで見ることになりそうだ。ラフの元に移籍しても必ずしもティンの助けになるとは限らないが、ローリーはラフの門下生を喜んで指導するだろう。
(現在の本拠地)コロラドでのトレーニングは成果を上げているだろうか?ティンの同門、ユ・ヨンは確かに韓国選手権で優勝したが、今大会は成功したとは言えない。香港のイ―・クリスティンも同門だ。中国選手権と四大陸では最高の3Lz+3Tを見せたが、今大会は活躍が見られず順位を大きく下げ、驚いた。世界ジュニア以降、ティンはコロラドであまり時間を過ごしていないように思う。
ハンナ・ハレル
ジャンプには大きなポテンシャルを感じるが、スケーティング技術はあまりない。ハンナの陣営はSPにアップテンポな曲をよく使い、トゥクタミシェワのような腕の動きでスケーティング技術をカバーする。才能はあると思うが、スケーティング技術を早く身につけないと、将来、前へ進めなくなるおそれがある。
ハンナの才能を高く評価する人は多い。だが、全米直後、米国女子の将来を担うと話題になっていたのはアリサ(リウ)とティンだった。4位で錫メダルを獲得したにもかかわらず、ハンナの名前は出なかった。今大会の演技を見てハンナとティンのポテンシャルに差を感じた。ハンナは世界のトップ女子が持つラインや優雅さを備えていない。音楽もしっかり聴いていない。情熱的な曲で興奮とエネルギーを演出しようとしているが、曲が重くのしかかっている。バンクーバー五輪で真央が演じた『鐘』は重すぎると言う人がいるが、そうは思わない。ハンナこそ曲が重い例だ。エネルギッシュな曲について行けてない。
話題にはならなかったが、全米では勢いを感じた。その勢いのまま世界ジュニアに臨みたかっただろうが、残念ながら今大会はうまく行かず、注目すべきはティンであると証明する結果となった。
クセ二ア・シニツィナ
スケーティングはとても良い。エテリ(トゥトベリーゼ)やミーシン門下生以外の選手が見られたのは新鮮だった。ちょっと変わったジャンプの跳び方をしていた。サルコーの入りがサーキュラーだったので、ルッツを跳ぶのかと思った。腕が美しい。伸びやかさがあるが、体を伸ばし切ると更に良い。才能があるのでコーチと環境を変えた方が伸びると思う。ハンナ同様、曲が強すぎてついて行けていない。曲と振り付けが合っていた部分もあった。
最も才能があるとは言わないが、いいコーチにつくと成功するだけの才能はあると思う。ジャンプは他の選手ほど高さがない。流れるような弧ではなく、上、横、下、と変わった軌道を描いていた。
ユ・ヨン
背が伸びている。フリーレッグの膝が常に曲がっている。伸ばさなくてはならない。芸術美に欠ける。ジャンプは凄くパワフルだ。FSは素晴らしかったが、SPはベストではなかった。SPの3Lzはステップアウトしたためコンビネーションにできなかった。なぜ3Fにセカンドジャンプをつけなかったのかと質問が来ている。3Fは回転不足に見えたし着氷が不安定だったためだと思う。2Tが付けられたかもしれないが、自信を持って跳べなかったのだろう。全くトライしなかったわけではないと思う。世界ジュニアのプレッシャーで頭が真っ白になりリカバリーできない選手もいる。あの状況で瞬時に判断するのは難しい。だがそのために世界ジュニアの前にジュニアグランプリがある。
紀平梨花は世界ジュニアで大成功を収めたわけではない。ユ・ヨンは優れたジャンパーだ。世界ジュニアで活躍できなくても、梨花のようにきっと成功する日が来る。将来有望だと思う。今大会は踏み台に過ぎない。美的観点から改善すべき部分がある。ジャンプに集中するなら別だが、美的分野ではトムZは頼りにならないと思う。女子はオールラウンドプレイヤーであることが最も重要だ。トムZのスタイルにはそれが欠けている。
ユ・ヨンの才能は本物だ。3年後、身体変化もうまく切り抜けているだろう。包括的なスケーターになる事だ。
ユニバ―シアード 女子
三原舞依
時が経つにつれ、清々しさが感じられ楽しめるようになって来た。ポリーナ・エドモンズやマリア・ソツコワ同様、舞依にはエネルギーや存在感を示す独特のオーラが無い。だが、少し改善が見られる。特に爽やかで楽しいSP『イッツ・マジック』は賢い戦法だ。コーチは有能だと思う。
どんどん良くなっているようだ。どんなクラスを取っているかは分からないが、大学生になりスケートから少し肩の力が抜けたようだ。視野が広がったのだろう。感情表現が豊かな方ではない舞依だが、人間関係の広がりがプラスになっているのかも。年齢が人を変えることもある。少し明るくなった。
3+3のコンビネーションは素晴らしい。特にSPのコンボは高さがあり、判定が厳しい中、文句無しのクリーンなジャンプだ。いい感じに落ち着いている。世選に出ないのが残念だ。
エリザヴェート・トゥルシンバエワ
トゥルシンバエワの復活劇がますます面白くなって来た。エテリ陣営がありったけの力を注ぎ、トゥルシンバエワに自信をつけさせた。ブライアン・オーサーに対するしっぺ返しだ。トゥルシンバエワは完全に漁夫の利を得ている。最高の移籍先を選んだ。
平昌五輪閉幕の頃、正直、トゥルシンバエワは終わりだと思っていた。これ以上、伸びないだろう、引退してもまあいいかなと。ところが、エテリ陣営はトゥルシンバエワに大いに力を入れた。3枠狙いを阻む存在になるかもしれない。マライア・ベルには勝てるだろう。ブレイディ(テネル)に勝つかは分からない。トゥルシンバエワが4回転を成功させると、どうなるか。四大陸後、トゥルシンバエワのスケーティング技術に批判の声が出ているが、それほど悪いとは思わない。世選でトップ8、少なくともトップ10に入れる技術はあると思う。
フィギュアスケートは勢いが肝心だ。安定感に話題性や勢いが加わると、4回転もあるトゥルシンバエワは俄然おもしろくなる。みんなが想いを寄せるデニス・テンと同じカザフスタン代表でもある。トゥルシンパエワにいい波が来ている。乗らなくては。
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以上です。
FSF様
ありがとうございます!
大変助かります!
真央さんのモスクワの鐘の話が出てましたね!懐かしい!
Thank you! I love TSL. Dave and Jonathan are the best! So handsome and fun.
FSFさん、いつも長文を丁寧に訳して下さってありがとうございます!
この動画には日本語訳がなかったので、なんといってるのかわからず困っていました。訳がついていた時でも変な日本語訳で、理解できないのことのほうが多いのだけど・・
三原舞衣ちゃんの良さが二人にわかってきたようで、嬉しい!!
ホント、彼女のマジックは、みんなを幸せ気分にさせちゃいますよね。
FSF様
翻訳本当にありがとうございました。待っていました!
\(^o^)/
FSFさま、ありがとうございます。
ユヨン選手の箇所で
「SPなぜ3Fにセカンドジャンプをつけなかったのかと質問が来ている。3Fは回転不足に見えたし着氷が不安定だったためだと思う。」
とありますが、JrのSPはフリップが単独ジャンプの課題ですよね、たしか…。
Takさん、
>JrのSPはフリップが単独ジャンプの課題ですよね
おっしゃる通りですね。今季、ジュニアはフリップとアクセルが単独ジャンプに指定されています。なのでユ・ヨンがコンビネーションにできたのは、ステップアウトしてしまったルッツだけでした。
TSLは、視聴者からコメント欄で指摘されミスを認めていました。動画をアップした後で気づいたらしいです。
ご指摘ありがとうございました。
世界ジュニアとユニバーシアード男子編です。ご参考までに…。
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世界ジュニア 男子
スティーブン・ゴゴレフ
ここ2~3年、ジュニアのトップスケーターとして注目されているので、大きなプレッシャーがかかるだろう。スティーブは自分自身にプレッシャーをかけているようだ。リンクから上がる時、いつも自分を責めるように厳しい顔つきをしている。優勝を狙っているからだ。自分にかけるプレッシャーはプラスにもストレスにもなる。彼はスケーターとして大成すると思う。
衣装とスケーティングスタイルを改善し、演技に個性を出さなければ。確かに彼はまだ若い。だからこそ改善が必要だ。その機会を得ないまま続け、ヴィンセント・ジョ―のようになって欲しくない。衣装に冴えない灰色はやめよう。SPとFSの衣装がそっくりなのもよくない。テーマに合わせてSPとFSの衣装に差をつけ、目立たせた方がいい。ジャンプは素晴らしいが、スケーティングからテーマが伝わってこない。
スティーブの熱意は伝わった。転倒時にブレードが足に刺さってしまったにもかかわらず最後まで演じ切った。彼の闘争心とメンタルの強さが伺われる。一つ間違えば大変な事になっていたかもしれないが、大事に至らなくてよかった。
自分なら、あの場合どうするだろう?状況にもよるが、起き上がり演技を終えられそうなら、もちろん最後まで続けたい。演技を中断し怪我のチェックをするべきだろうか?だが、演技を止めるとアドレナリンも止まり痛みが酷くなる。アドレナリンが出ていれば立ち上がって演技を終わらせられるかもしれない。それでもスティーブは痛そうだったが。演技終了数分後、痛みは更に酷くなったことだろう。同情を買うタイプではないので、演技が終わると顔に出さないよう懸命に痛みを耐えていたのだと思う。怪我の状態を気にしていたようだ。
本当にタフだ。前にSPの失敗をFSで取り戻していたが、スティーブは挽回が可能な選手だ。だが、今季はずっとSPでミスが出ている。調整しなければならない。怪我でもない限り今後も活躍を期待している。根性とファイトがある。ロッキーのような闘争心だ。まだ模索中の歳若い選手なので粗削りで、美しい演技というわけには行かないが、ジャンプはエキサイティングだ。
カムデン・プルキネン
今季はFSで大失敗が多い。にもかかわらずPCSは高い。ジャッジは彼を支持しているのだろう。FSに比べ、SPは成功している。技術的にうまく行くと素晴らしい演技を見せる。だが、うまく行かない時は本当にうまく行かない。大失敗は忘れ新たにスタートできればいいと思うが、残念ながら来季はどうすれば安定するのか答は見つかっていない。
緊張でルッツを失敗した男子の多くが踏切時に肩をねじり、空中で体が真っすぐになっていなかった。カムデンは3Aなど素晴らしいジャンプを跳び、技術があるのは確かだが、緊張すると技術がどこかへ行ってしまうようだ。
トムZ(ザカライセックコーチ)は遠征試合の時間帯に合わせFSの練習時間を変えるらしい。だが、練習時間の問題ではないと思う。コリヤダと同じメンタルの問題だろう。カムデンの場合、頭の中でスイッチが切れ演技ができなくなるのだと思う。いつ、どのようにスイッチが切れるのか原因を探る専門家がいるはず。時間帯を変えて練習しても解決にはならないだろう。スティーブ(ゴゴレフ)はブレードが足に刺さっても演技を続けた。残念ながらカムデンは少しうまく行かないとある意味、逃げてしまう。序盤で失敗し、続けるのが嫌になる気持ちはわかる。だが、何とか持ち直して欲しかった。
そのためにすべき事は、毎日プロの通し稽古をする、試合を諦めない精神力を持つなど色々ある。ナンシー・ケリガンの91年~93年の世選ビデオを観るとメンタルブロックがかかっていたことがわかる。あの頃ナンシーは曲かけ練習を通しでできずにいた。ミスが出ると中断していた。逃げていたのだ。その後、スポーツサイコロジストにかかり、曲かけ練習を2度通してできるようになった。翌年には素晴しいFSが滑れるようになり、スケーターとして成功した。
カムデンの曲かけ練習の様子が知りたい。ミスが出るとどうなるのか。(訳注:長いので割愛しますが、スポーツサイコロジストを受け入れない空気がスケーター側にあること、その一方、積極的に取り入れて成功しているスケーターやコーチもいること、スポーツサイコロジストの必要性などについて話していました。)
カムデンは高い技術力を備えた素晴らしいスケーターだ。技術的には問題ないはずだが、ジャンプが不安定だ。勝つためにプラスになるのだからスポーツサイコロジストを採用すればいいと思う。メンタルの問題は重くなる前に解決できる。パターンを繰り返していると問題が重くなる。カムデンは同じ試合でプロを成功させた後、自滅するパターンだ。切り抜けなくてはならない。
トモキ・ヒワタシ
以前、オーリアシェフコーチの指導の下、頭角を現しつつあったのを覚えている。オーリアシェフは怒鳴るので有名だが、グレイシー(ゴールド)は「自分より怒鳴られた唯一の選手はトモキ」だとツイートしていた。トモキはレッスンの途中で出て行ったらしい。限界だったんだろう。その後、コーリ・エイドに師事し、急落。そして現在、新しいコーチの下、急上昇中だ。全米、四大陸、世界ジュニアと3大会で勢いを見せた。今大会は来季への踏み台となる。注目の4大会目は、来季のGPSだ。
SPは良かった。特に四大陸や全米と同じミスを繰り返さなかったのは頼もしい。FSはミスが多くなっていたが、持ち味である質の高いスケーティングを見せてくれた。他の選手とはスケーティングのレベルが違う。着氷は成功させていた。
ジャンプスーツっぽい衣装は少し古臭いが、ラインが長く見えるので小柄なトモキには良いと思う。4回転と3Aは片方だけではなく両方を入れていた。大きなポテンシャルを感じる。音楽をよく聴いている。真のパフォーマーだ。
キスクラでのリアクションが最高だった。SP、FSとも2位だったので優勝したことに気づかなくて(笑)。今季は小型エンジンのように突き進み、良い結果を続けて出している。シニアに上がる来季に向け、良い話題作りができた。
ロマン・サヴォシン
ジャンプは優れている。とても美しいものを感じる演技だったが、磨かれていない。彼もローリー(ニコル振付師)の元へ送りたい。アリエフのように華麗な腕の動きを見せるかと思えば、片腕は美しく動かしているのにもう片腕はだらりと下がっている。集中力を養いトレーニングを積めば、素晴しい選手になると思う。ポテンシャルが信じられないほど大きい。
ジャンプの技術が変だ。踏切に変な角度がついている。跳べているが、あれでよく跳べると思う。ロシア選手権では大失敗した。
アルトゥール・ダニエリヤン
ダ二エリヤンもポテンシャルは大きい。恵まれた容姿と伸びやかさがある。ブイアノワ(コーチ)は技術を習うにはいいが、トレーニングは旧式で曲かけ練習を通しでさせてないと思う。そのようなやり方は新システムでは通用しない。ダ二エリヤンは素晴らしい3Aが跳べる。3Aほど素晴らしいとは言えないが、4Sも跳べる。ダ二エリヤンなら新システムに合ったトレーニングと手法でスーパースターになれると思う。
長い間、ロシア男子は芸術性と縁が無いと思っていたが、アリエフに続きサヴォシンやダ二エリヤンが出て来た。とても興味深い。ダ二エリヤンは、昨季に比べ上達が目立つ。プリシラ・ヒルの元へ送るといい。
ダニエル・グラスル
スケーティング技術を早く改善すべきだった。だが才能はすごい。技術的に美しくはないが、4Loが見られたのは良かった。同じイタリア代表、マテオ・リッツォのスケーティングの方が良いと思う。ダニエルの演技は、どことなくいいと思う。だが、美しいとは思わない。スケーティンが良くないと普通は魅力を感じないが、ダニエルは何か惹かれるものがある。
ユニバーシアード 男子
コフトゥンが安定性を失うことは予想できたが、マッテオの優勝は予想していなかった。サマリンはメダル圏外に埋もれ、エテリ門下生でジョージア出身のモリス・クヴィテラシヴィリが3位に入った。
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以上です。
いつもご丁寧な翻訳ありがとうございます
サーシャは膝の使い方が決して柔軟ではないのですが、それでもリンクを大きくつかいスーッとかけていきますよね
着氷姿勢は去年もそうですが、つんのめるので、もう少し流れたら加点もらえるかな?
シェルちゃんは音感が良く、腕の使い方も優雅で素敵
エテリ3姉妹はそれぞれ持ち味が違って各々魅力がありますね
3姉妹はちょっとずつ点差が出てきていますので、来季どんな闘いになるか楽しみです
シニツィナちゃんのフリーに触れていてうれしいです
彼女の腕の使い方は本当に素敵
ラフマニノフの甘く切ない曲でしっとり滑るフリー、大好きなんですが、
曲自体難しいかもね・・・
FSF様
男子のほうもありがとうございます!
ヴィンス君に関しては、辛口?ですが一層応援したくなります。なんとかならんのかって。
いつも翻訳をありがとうございます。
樋渡君が何故オーリアシェフコーチのもとを去り
拠点まで変えたのか謎でしたので理由が分かりました。
感謝します。
ヴィンセント君はTSLで言われていることも承知していますし
それでもメゲない強い選手ですのでそこは心配しなくてもいいかな
回転不足対策もしっかりとやって今季の仕上げに賭けています。
まだまだ18歳ですからこれからですよね
それに大学進学も遅らせて30歳まで続けるとのこと
強いなぁっていつも思います。
咲さんは 選手にいつも温かいですね!
私は割と最近までは 選手を厳しく見るというか 好き嫌いがあったのですが、見すぎるうちにどの選手もかわいく思えてきました。年なのかな?
舞依ちゃんのことを、エネルギーや存在感を示す独特のオーラが無い、とのことだけど この静かで平和的な皆を包みこむ温かさも ひとつのパワーだと思うんです。すごい個性だと思うけどな。
なっこさん、確か舞依ちゃんがジュニア時代に
お気に入りのスケーターがヴィンセント君だと聞いたことがあります。
TSLの前におられたジェニーさん?もヴィンセントのファンじゃなかったかな
芸術性豊かで容姿端麗なスケーターが大好きなデビットさんは
何度ミスしても、ガッカリさせてもカムデン君はかばうのに
ヴィンセントにはぼろくそなのには少し反発を感じます。
すみません、個人的な気持ちです。
引退したアーロン君にもぼろくそでしたが
ミラノワールドで3枠に貢献したのはマックス・アーロン君でした。
😥 😆 😯 😕 😀 ➡ ❗ 😡 🙂 🙄 👿 💡 😮 😛 😈 ❓ 😐 🙁 😉 😳 😎
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